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「iMessage」に脆弱性、スパイウェア「Pegasus」の感染から発覚 AppleがiOSやmac OSなどに対策アップデート配信

» 2021年09月14日 19時15分 公開
[山川晶之ITmedia]

 カナダ・トロント大学に拠点を持つセキュリティ機関「The Citizen Lab」は9月13日(現地時間)、米Appleのメッセージアプリ「iMessage」でゼロデイの脆弱性(CVE-2021-30860)を確認したと発表した。Appleは14日、対策アップデートとしてiOS 14.8/iPad OS 14.8を配信した。

 サウジアラビアの活動家が所有する端末を調査したところ、スパイウェア開発を手掛けるイスラエルNSO Groupのスパイウェア「Pegasus」に感染しており、分析によって脆弱性の存在が判明したという。同機関ではこの脆弱性を使ったエクスプロイト(攻撃)を「FORCEDENTRY」(無理やりな侵入の意)と命名。ユーザー側で操作せずとも感染してしまうゼロクリックの攻撃で、少なくとも2021年2月から使用されていたという。

 脆弱性は、画像レンダリングライブラリ(CoreGraphics)の整数オーバーフローに関するもの。Appleによると、悪意のあるPDFを処理すると任意のコードが実行される可能性があるとしている。iOS/iPad OS以外のデバイスにも影響があり、watch OSは7.6.2、mac OSはBig Sur 11.6を配信。iOS/iPad OS/mac OSのアップデートにはCoreGraphicsの他、WebKitに関する脆弱性も修正されている。

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