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はじめよう、データ活用 ビジネスを成長させるために、初心者が着目すべきポイントは?(3/3 ページ)

» 2021年10月06日 08時00分 公開
[安部晃生ITmedia]
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データ活用の進め方

 データ活用の構成要素としてデータ基盤とBIを挙げた。これらは片方だけ実現しても意味がない。データ基盤の成長とBIの成長が同時に共鳴することで企業におけるデータ活用が実現していく。

データ基盤の成長

 データ基盤は、データ分析システムにデータを提供することを最大限に意識する必要がある。データ基盤に対する投資は、BIが要求するデータを高品質かつ高速に作成できる状態をいかに維持するかが重要だ。

 データ分析を支えるデータ基盤が成長すれば、BIを含むデータ活用の流れが自動化でき、より高度な活動に力を入れられるようになる。

BIの成長

 BIは小さい成功体験を重ねることが重要だ。いかなる企業においてもビジネスを行う中で生成されたデータは、データベース化されたものに限らず、Excelやメール、印刷された資料として存在する。こうしたデータをかき集めてデータ分析を行う。

 規模は小さくとも着実に成果を出すことが重要だ。こうした活動を継続して行うことで、データ活用における勝ちパターンを見つけ「データをどのように整備すべきか」「どのようなデータが必要となるか」といったデータ基盤に対して必要な情報を得られる。

データガバナンスの重要性

 データ基盤やBIが成長すると今度は、属人的なデータや分析が発生する。例えば売上など一つの指標をみているはずなのに、分析担当者によって細かい条件が異なった結果、他人から見ると何が正しいのか分からなくなり混乱してしまうということが起こる。データ基盤やBIが局所的な最適化に陥らないような注意が必要だ。

 データ活用をどのように実現すべきかは企業内で統制しなければならない。これを「データガバナンス」という。企業におけるデータ活用が拡大していく中ではとりわけ重要な観点になる。


 デジタル技術の発展とデータ活用によって実現できることが増えてきている。データ活用は、単なる局所的な業務を最適化するためのものではなく、もはや社会的な要求になっている。データ活用はIT化が進んだ大企業だけのものではなく、誰でも簡単に始められる活動だ。まずは手近なところからデータ活用を始めてみてはいかがだろうか。

著者プロフィール:安部晃生(あべ こうせい)

株式会社コネクトデータ代表取締役。情報処理学会ビッグデータ研究グループ運営委員。クライアント企業のデータ利活用を成功させるためにコンサルティング、分析、開発、教育等あらゆる支援活動を行う。


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