このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
電気通信大学 梶本研究室の研究チームが開発した「Presentation of a Feeling of Presence Using an Electrostatic Field: Presence-like Sensation Presentation Using an Electrostatic Field」は、人の気配らしい感覚を遠隔地にいる相手に伝える静電気発生装置だ。
遠隔コミュニケーションが人々の生活に浸透しつつある昨今、ビデオ会議などの映像と音声のやりとりだけでなく、より実在感のある雰囲気を伝える方法が模索されている。触覚、鼓動、温度などを用いた手法がその代表的なものだろう。
今回のシステムは、近くにいるだけで身体に“もわっ”と感じる触覚を与える静電気発生装置。装置が稼働すると帯電し、近くにある身体との間に電荷の偏りが生じるとユーザーは“もわっ”とした触覚を得られる。
静電気発生には、「バンデグラフ発電機」という方式を採用。この発電機の内部には、 装置を帯電させるためのモーター駆動の回転ベルトがあり、ON/OFFの切り替えで制御できる。
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