DMM.comの亀山敬司会長は10月11日、コンテンツ配信プラットフォーム「cakes」に掲載された、転売を容認するかのような内容の記事がTwitterで批判を浴びている件を巡り「クリエイターの皆さま、コミックマーケット準備会の方々をはじめ、多くの方に不快感を与えてしまったこと大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。
問題の記事は、2019年に開催された高校生向けイベント「ハイスクールショーバイ!」の様子をまとめたもの。参加した高校生は、投資家や経営者の講演を聞いた後、3人のチームを組んで自分たちでビジネスを考え、1人3万3000円の資金を基に1カ月間実際に商売をした。
記事では、コミックマーケットで頒布されている限定品の購入を代行するサービス「コミケ代行」を発案した高校生グループが登場。「買いに行けない人の問題を解決したい」として、Twitterでコミックマーケットに行きたい人を探し出し、直接コンタクトを取って交渉。3人分の資金9万9000円を使って限定品を購入し、顧客に販売した。1000円の本が6万円で売れたケースもあり、最終利益は18万1000円に上ったという。
イベントに参加した亀山会長は記事中、高校生グループの発表について「今回のお題にふさわしい、商魂たくましいチームだった」と評価。これを受け、Twitterでは「実質転売ではないか」「DMMの会長が転売行為を容認するのか」など批判の声が浮上。一部では「転売容認発言は看過できない」として、同人誌も取り扱うDMM.comの成人向けサービス「FANZA」への出品を取りやめるクリエイターも現れた。
批判を受け、イベントを主催したSTOKE(東京都港区)はcakesでの記事の公開を停止。同社の柿内芳文代表は11日に「学生チームが行ったコミックマーケットでの商売行為は、コミックマーケットの理念にそぐわない行為だった。イベント主催者として考えが及ばず、本来であれば監督すべき立場にありながら認識が至らなかった」として謝罪した。
亀山会長は本件について「弊社もクリエイターの皆さまの作品を取り扱わせて頂く業務を行っている。作品を生み出す苦労を知りながら、配慮に欠けた発言をしてしまったこと、心からおわびいたします」とする謝罪文を公開。
STOKEによれば、コミケ代行を発案した高校生自身も「(顧客と)やりとりをする中で思ったより高値になり、当事者同士で価格に関して合意があればいいだろうと、自分のうれしい気持ちを優先してしまった。関係者に対して申し訳ございません」と謝罪したという。
亀山会長は「今回の件は全て自分の責任であり、前途ある高校生らには寛容な対応を頂ければありがたい」としている。
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