東京2020オリンピック・パラリンピック(開催は2021年)のために作られたさまざまな建物・設備は維持に多額の経費がかかり、国民にとって今後の大きな負債になるという記事をよく見かける。だが、オリパラが残した、優れた遺産を忘れてはならない。それは、レースで使われた「コース」だ。
東京都はそのコースの1つである、パラリンピックのマラソンコースをバーチャルレースに活用するイベントを発表した。それが、「TOKYO VR Racing 2021」。12月12日に開催される。参加費は無料。
なぜオリンピックじゃなくてパラリンピックなのだろう? と一瞬考えて、2021年の東京オリンピックマラソンは暑さのために札幌で行われたことを思い出した。東京とは?
それはさておき、TOKYO VR Racing 2021はバーチャルなので、道路を封鎖したり、観客対策をしたりする必要がない、お金がかからないオンラインでの参加が主体のレースだ。16歳以上であれば参加できる。
仮想レーシングのプラットフォームには、バーチャルライド/ランサービス「ROUVY」を利用する。ROUVYはこの分野で先行する「Zwift」のライバルで、チェコのVirtual Trainingが運営。Zwift同様に、サイクリングとランニングの両方に対応しているが、バーチャルコースに実写ビデオを連動させ、リアルな風景の中を走ることができるという独自機能がある。これもZwiftと同様、iPhone、iPad、Mac、Apple TV、Android、Windows版のアプリが用意されている。
自転車の場合には対応するセンサーやパワーメーター、ケイデンスセンサー、ハートレートモニターなどを接続し、使用する。ランニングの場合にはトレッドミルとケイデンスセンサー(Polar Stride Sensor推奨)を組み合わせるという、Zwiftとほぼ同じ構成でOK。
そこまでお膳立てしてくれるのならということで、筆者もエントリーしてみた。
せっかくのチャンスなので、フルマラソンのコースである42.195kmを自転車で走るセクションに申し込んだ。実走では慣れている距離とはいえ、バーチャルで時間制限付きで走るのは初めて。筆者のスタートは12月12日の午後3時45分である。規定時間である1時間45分で走り終えるには都心を時速30kmくらいで走る必要がある。これもリアルでは無理な数字だが、信号も車もないバーチャルレーシングなので、できないことはないはず。まずは完走を目指したい。
オンラインの環境がないという人でも、東京体育館サブアリーナ、サテライト会場のスポーツクラブNAS若葉台店なら自転車、スマートトレーナー、トレッドミルといった設備を利用できる。コースは自転車が10kmと42.195km、ランニングが3km、5km、21kmのコースに分かれている。オンラインの場合はROUVYにアクセスできる環境にあれば参加可能だが、事前に参加申し込み手続きする必要がある。それぞれ人数制限があるので、早めに申し込んでおいた方がいいだろう。
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