マツ で、もう1つ、言葉の由来の話をしときたいんですけど。Java。
ヤマー 「30億のデバイスで走るJava」。
マツ はい、そうなるはるか前の話。
ヤマー ティーカップのロゴが印象的ですよね。
マツ カップの話は後でするとして、Javaっていうのが出たよ、簡単だしプログラミングの入門にいいよって話題になって、うすーい入門書を海外の展示会(Macworld Expo)で買ったりしていたわけです。今や巨大なシェアを持つ言語で、IoTからサーバまでいろいろなところに使われている。
ヤマー え、いつの時代の話ですか??
マツ 1995から1996年くらいかなあ。
ヤマー 26年前……! その頃Javaはまだよちよち歩きだったんですね。
マツ 最初はただの言語だったのが、「HotJava」というWebブラウザが出て「アプリも動きます」ってなって、じゃあWindowsでもMacでも動く、クロスプラットフォームなのができるよねってちょっとブームがおきた。
自分がやってた雑誌を見てみると、1997年にAppleがMicrosoftの出資を受けるときの条件の1つとして、Microsoftが持つJava JIT(ジャストインタイム)コンパイラの技術がリストアップされているくらい、早い段階で重要な技術となった。
ヤマー 重要なクロスプラットフォーム技術になっていったと。
マツ でも、調べてみたら、Javaって最初はジェームズ・ゴスリングさんの割と個人的なプロジェクトだったらしく。
あ、ゴスリングさんは、Sun Microsystemsという、Oracleに買われてしまったけど、一時期はAppleを買収しようというくらいの勢いのあったワークステーション企業で、その中でも尊敬を受けていた研究者、プログラマー。彼の研究室の近くにあった木から、Oakという名前でスタートしたらしい。ナラの木ですね。
ヤマー 今はなきSun Microsystems……。
マツ です。
ヤマー 余談ですけど、シリコンバレーにあるFacebook本社の看板って、裏にSun Microsystemsのロゴ跡があるんですよね。
マツ そうなんだよね。で、SunというのはStanford University Networkの略で……という話は置いといて、メンロパークのSun Microsystems本社取材に行ってスコット・マクニーリーCEOをはじめとする幹部インタビューをしたことがある。SPARCstation、Solarisの頃。
ヤマー なんと! しかしそのゴスリングさんの個人プロジェクトがここまで大きくなったのはなぜなんでしょう。
マツ 最初は、SPARCstation(当時高性能だったRISCマシン)をベースにした、テレビ網のセットトップボックス用なんかに使う予定だったらしい。
ヤマー へー! STB(セットトップボックス)用だったんですか。
マツ STBを含む、さまざまなものだったらしい。その提案先が最初は三菱電機だったというのもちょっとびっくり。3DOのプラットフォームに使う予定もあったらしいけど、それもポシャって。
ヤマー 3DOってゲーム機のですか?
マツ そうです。で、Dukeくんという、キャラクターは、その頃に作られたもので、ソフトウェアエージェントとして描かれたものだったらしい。
ヤマー Dukeくんって初耳なんですが、Javaにキャラクターがいるんですか?
マツ 有名で、Javaコミュニティでは大変可愛がられているはずです(笑)。
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