Innovative Tech
「かえでの種」がモチーフの空飛ぶロボット ひらひら落下し目的地まで飛行(1/2 ページ)
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
シンガポールのSingapore University of Technology and Design(SUTD)の研究チームが開発した「An Agile Samara-Inspired Single-Actuator Aerial Robot Capable of Autorotation and Diving」は、かえでの種子をモチーフにした落下を利用する飛行ロボットだ。1枚の羽根とコンパクトな電子機器からなるロボットは、ドローンから落下して2種類の飛行方法を駆使し目的地点への着地を目指す。
軍事目的や災害救助活動などの多くの分野では、大量の軽量センサーやペイロードを劣悪な環境下でも目的の場所にできるだけ早く展開することが不可欠だ。これまではドローンやパラシュートなどを活用してきたが、ドローンは高いコストや制御の難しさ、パラシュートはパッケージングが困難と、それぞれ課題が残っている。
これら課題に挑戦するため、かえでの種子の落下をヒントにした新しい落下飛行のロボットを提案する。かえでの種子は、急降下後に減速するまでのスピードが速いことが知られており、研究チームはこの特性が落下制御に有効に働くのではと着目した。
ロボットは、平らなバルサ材とフラップで設計の羽根1枚と、付け根部分の電子機器で構成する。電子機器には、マイクロコントローラーや3軸磁力計、昇圧器、マイクロレシーバー、GPS、リチウムポリマーバッテリー、サーボーモーターを搭載する。
ロボットはかえでの種子と同様に、自動回転を利用した落下を行う。その際、自動回転中の軌道制御のために、シングルフラップ機構を採用する。
このフラップ機構は、A-Mode(Autorotating Mode)とD-Mode(Diving Mode)の2種類の飛行を実現する。A-Modeは、回転しながらゆっくり落下する方法。横方向の動きを駆使して安定した飛行を行う。D-Modeは、垂直方向に急降下する落下方法。天候が不安定な時に役立つ飛行方法だ。
この2つのモード間の双方向の切り替えと方向制御は、アクチュエーター1つのみで羽根の角度を変えて制御する。A-Modeは羽根を水平方向に、D-Modeの時は羽根を垂直方向に変える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
睡眠中に「ピンクノイズ」を聞くと“脳内ゴミ”の洗い流しが強まる? 米MITが人間で実験 Science系列誌で発表
-
2
「Androidのマイナンバーカード」提供へ 20日から 物理カードなしでも本人確認など可能に
-
3
タイムズカー漏えいで集団訴訟の動き、登録3000人弱 呼び掛けた弁護士に聞いた──「謝罪で済む案件ではない」
-
4
免許証の悪用防止で申し込み集中 JICCがアプリ受付を一時休止 タイムズカー漏えいの影響か
-
5
「アバハウス」全顧客の情報漏えいか 会員・受注DBに不正アクセス 「不審な返金メール届いた」報告で判明
-
6
靴のムーンスター、顧客情報漏えいの可能性 氏名や住所、注文情報など
-
7
第一生命に不正アクセス 従業員情報12万人分漏えいか 退職者も対象
-
8
Amazon、データセンター批判に反論 10億ドル超の地域支援策も発表
-
9
Apple、macOSの「フルディスクアクセス」に追加の制御を導入へ 「AIエージェントの進化でリスクが大幅に増大」
-
10
ローソンのメールサーバが踏み台に、不審メール約70万件送信 件名「RE」など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR