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リモートと出社、どちらも快適にする「Envoy」でハイブリッドワークの生産性を高めるシリコンバレーから見た風景(1/3 ページ)

» 2022年04月04日 16時49分 公開
[五島正浩ITmedia]

 時がたつのは早いもので、コロナ禍が始まってから既に2年になりました。毎朝当たり前のように車でオフィスに通勤していた生活が一変して、自宅からリモートで働く毎日となりました。

 シリコンバレーで社会問題になっていた通勤時の交通渋滞の苦痛や、上司の愛犬と一緒にランチを食べていたカフェテリアの楽しい思い出も、今となっては遠い昔の記憶となってしまいました。

 コロナが収束すればまたオフィスに戻ることになるんだろうと漠然と思っていましたが、デルタ株やオミクロン株が出てきて先行きが不透明になる中、リモートで働くワークスタイルも定着してきて、逆にこれからオフィスに戻る意味は何だろう? と考えてしまいます。

 明らかにワークスタイルの考え方に変化が現れました。最近ではリモートに加えてハイブリッドという言葉をよく耳にします。今回はこのハイブリッドのワークスタイルに役立つ「Envoy」というプロダクトを紹介したいと思います。

photo ハイブリッドワークをより便利にするEnvoy

シリコンバレーにおけるハイブリッドワーク

 コロナ禍が始まる前のシリコンバレーではオフィスに投資をし、従業員に対して最高のワークプレイスを提供することに力を入れていました。AppleがクパチーノにApple Parkと呼ばれる巨大な新社屋をオープンしたことや、Googleがカフェテリアで食事を無料で提供していたのは有名な話です。優秀なエンジニアを採用するには他社より魅力的なオフィスが必要ですし、従業員が快適に働けるオフィスが生産性を高め会社の成長につながると考えられていました。

 サンフランシスコでは、オフィスを持つことをやめて全てリモートワークに切り替えた会社もあるようですが、シリコンバレーではキャンパスと呼ばれる大きなオフィスの敷地を維持し、いつか従業員がオフィスに戻ってくることを待っているところが多いです。

 ワクチン接種率が向上し経済再開が進んでいるとはいえ、まだまだコロナ禍は続いているので、会社側は明日からオフィスに来るようにと従業員に宣言するのも難しい状況です。地域の公衆衛生の方針に沿ったコロナ対策のガイドラインを作成し、従業員が安全に出社できる環境を整備することで、オンサイトで働く必要がある人や、オフィスで働くことを希望する人が戻ってきた感じでしょうか。

 また会社側が従業員にオフィスに戻ってきてほしいと思っても、多くの人々はリモートワークの生活に慣れてきていて、このままのワークスタイルを継続したいと考えています。以前は最高のオフィスを提供することが大事だと考えられていましたが、今はフレキシブルなワークスタイルを提供することが求められています。大きな変化といえるでしょう。最近のLinkedInの求人を見ていてもオンサイト、リモート、そしてハイブリッドとワークスタイルの条件を明記しているものが増えてきました。

 ハイブリッドワークは、その名の通りオンサイトとリモートが混在するワークスタイルを指しますが、その定義は曖昧です。週に数日は出社することを前提にしている場合もあれば、基本は家からリモートで働いて必要なときだけオフィスに来るという、かなりゆるいものもあります。2021年、Appleはオフィス勤務を再開するときにはハイブリッドワークとして月・火・木は出社日とし、水・金を在宅勤務を可能とする予定だと発表しましたが、これはオンサイトに近いハイブリッドの例といえるでしょう。

 本来であれば2022年の1、2月からオフィス勤務を再開する予定であった会社も多かったのですが、オミクロン株の蔓延により計画を見直し、これまで通りのリモートワークが中心の生活が継続しているのが現状です(再びその状況は変わりつつありますが)。

 今後は、ある日を区切りにオフィス勤務を再開するというよりも、感染状況やワクチン接種状況を見ながら、リモートで働く従業員に対して徐々にオフィスに出社する機会を増やし、理想とするハイブリッドワークに近づけていくことになるのではないかと考えています。会社側は、安全にそしてフレキシブルに従業員をオフィスに戻していくにはどうしたらよいのか悩み続ける日々がまだまだ続くのです。

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