練馬区のシェアサイクルが“開国”したという記事が、練馬区居住者だけでなく、シェアサイクルや自転車に興味のある方々にも注目していただいたようなので、もう少し掘り下げてみたい。
前回はドコモ・バイクシェアを使って練馬区の石神井公園から千代田区麹町のオフィスまで走ったレポートをしたが、競合サービスのHELLO CYCLINGで走ったらどうなるかも試さないと公平感に欠ける。
というわけで、今度はHELLO CYCLINGで走ってきた。
HELLO CYCLINGを運営するのはOpenStreetという企業。地図データベースのOpenStreetMapと混同しがちだが、全く関係ない。ソフトバンクの社内ベンチャーとしてスタートし、その後はENEOSやJR東日本も出資している。
HELLO CYCLINGで扱っているシェアサイクルは1種類ではない。東京ではダイチャリというブランドが付けられた自転車が多いが、さいたま市を中心としたBell SharingやHELLO CYCLING本体が運営しているポート、自転車も多い。
ダイチャリを運営しているのはシナネンモビリティプラス、HELLO CYCLINGのタグが付いているのはENEOSホールディングスといった具合に、複数の運営元が提供している自転車、サイクルポートがあるが、そのユーザーインタフェースや課金システムは共通、という仕組みだ。
ドコモ・バイクシェアとの大きな違いは、まずは電動アシスト自転車の形状だろう。ドコモが小径車であるのに対し、HELLO CYCLINGは大型のシティーサイクル、いわゆるママチャリのサイズだ。ボディーをみると「PAS Natura」とある。ヤマハの電動アシスト自転車のエントリーモデルに相当するようだ。ママチャリに乗り慣れた人なら違和感なく走れそうだ。
ドコモ・バイクシェアはブリヂストン、パナソニック、ヤマハのいわゆるミニベロ型電動アシスト車を採用しており乗りやすいのだが、小径車らしく、ハンドルが回りすぎるのと、高身長の人にはサドルの高さが足りないという不満も一部にあるようだ。
HELLO CYCLINGを借りるためのシステムは、今はドコモとほぼ変わらないものになっている。アプリで借りる自転車を決めて予約。現地で暗証番号を入力すると課金され、乗り始めることができる。借りる時点で返却するところが決まっている場合は、そのポートをあらかじめ予約しておくこともできる。これをやっておけば、行ったはいいけど返せなくて流浪の民という事態を防ぐことができる(筆者はその経験あり)。
以前はICカードで認証を行うのはドコモしかできなかったが、現在ではHELLO CYCLINGでも可能になっている。レンタルしているときにICカードを登録すればアカウントと紐付けられ、登録後はICカードをかざすだけで乗り始められるようになる。
つまり、身一つで出掛けてもApple Watchがあれば即乗り始められるというわけだ。アプリで予約して支払いして暗証番号を入力という面倒なプロセスをスキップできる。これで、ドコモ・バイクシェアとHELLO CYCLINGのユーザー体験はほぼ同等になったといえる。
では乗ってみよう。
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