Appleのハードウェアテクノロジー担当上級副社長であるジョニー・スルージ氏へのインタビューを掲載している。
スルージ氏は、2008年3月にIBMから転職し、最初にiPhone用のチップを開発した。
Apple自社製チップへの移行は、2006年にPowerPCと呼ばれる以前のシステムからIntelチップに移行した際、ノートPCのメイン基板を土壇場で何度も修正したが、同様の事態になる恐れがあった。
スルージ氏は、戦略の変更については社内で激しい議論があったと認めている。メインプロセッサを社内設計するのはPCメーカーとしては初めてのことであり、リスクも大きい。
ある元エンジニアリングマネジャーによると、スルージ氏のチームは製品開発の中心となり、特にエンジニアリングのニーズとビジネスの必要性のバランスを取る能力を発揮することで、彼の影響力は年々静かに大きくなっていったそうだ。
Appleが生産開始前のチップを検証しようとしていた矢先、新型コロナウイルスによる影響により、米国企業はリモートワークが必須となった。この作業は、エンジニアが顕微鏡の前に集まって初期のシリコンの品質を検査するというもの。
新しいチップの開発を遅らせるという選択肢はないため、スルージ氏は新しいテストプロセスを即座に設計することに取り組んだ。ラボのあちこちにカメラを設置し、エンジニアが遠隔地からチップを検査できるようにしたのだ。
これは、秘密主義と管理主義を貫くAppleでは、かつて想像もできなかったような変化だったと関係者は話している。
スルージ氏のチームは世界中に散らばっており、サンディエゴやドイツのミュンヘンといった遠く離れた場所で仕事を調整しながら、ビデオ通話を通じてビジネスを行うことや時差を超えて働くことにすでに慣れていたため、このようにシームレスに業務を回すことができた面もあるそうだ。
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