検閲員の過労死で見えた、中国ネット検閲のリアル クラウドとAIでは足りない理由(1/4 ページ)
2022年の春節、大手動画サイト「ビリビリ」で1人のスタッフが過労により亡くなった。
武漢オフィスで動画検閲の仕事で勤務していた25歳の男性「暮色木心(仮名)」氏だ。中国のインターネットは検閲を通すことが知られているが、各社が専用スタッフを抱えて検閲を行っている。氏が亡くなる直前には連休の春節にも関わらず、2交代制で連日12時間ディスプレイをにらみ続けたという。
この悲しき事件をトリガーとして見えてきた中国の検閲事情をまとめてみた。日本人が中国のネットサービスを利用するとき、どこまでチェックされ解読される可能性があるかのヒントも書いたのでお付き合い願いたい。
中国ではビリビリや中国向けTikTokの「ドウイン(抖音)」やインターネット大手「テンセント(騰訊)」の「テンセントビデオ(騰訊視頻)」など中国向けのさまざまな動画サービスが普及し、ほとんどのインターネットユーザーが使っているが、一方で中国は言論の自由が制限されていることでも世界的に知られている。
当然動画も検閲対象だ。検閲の対象は政治的にNGな話題がまず挙がりがちだが、ポルノコンテンツや暴力的コンテンツが多い。
インターネット検閲の仕事は10年以上前は知る人ぞ知る仕事であり、その実態を紹介する報道を見ることはなかった。しかし最近では地方に大手インターネット企業のオフィスを誘致し、そこで検閲員を多く雇えるという面がカジュアルに報じられるようになった。
例えば「上海で勤務していたが、Uターンして地方で検閲員として働くようになって、生活費の高さに困ることはなくなった」といった具合だ。
中国のインターネット業界は花形業界である一方、近年では残業がひどすぎて過労死がしばしば報じられるなど、ブラック労働でも注目されている。
IT企業のブラック労働が分かるメッセージが外部に漏れればすぐに広がるし、酷いものは社会問題としてテレビなどでも取り上げられる。
そんな昨今の中国の事情もあり、暮色木心氏の過労死によりネット検閲員の労働の実態を掘り下げる記事がいくつも出てきた。ビリビリだけでなく、中国のネット業界の検閲員の労働環境はいずれも似たようなものだということが分かってきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
2
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
3
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
4
B級感がたまらない? 映画「ストリートファイター」の魅力と原作ゲームの歴史、ゲーマーマンガ家が熱弁
-
5
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
6
「Claude Mythos 5」、危害の兆候を顧みず実在の開発者を標的に──AnthropicとAISIが分析結果を公開
-
7
GMO、不正取引の被害額を補償へ 見舞金5000円も 「お名前.com」FX用VPSへのサイバー攻撃で
-
8
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
9
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
10
PHPに「緊急」レベルの脆弱性2件 修正版を日本時間21日深夜に公開へ、事前準備を呼び掛け
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR