4月28日、リコーによるPFU買収が正式に発表された。リコーは、富士通が持つPFUの株式の80%を842億円で取得。同社の傘下に納めることになる。子会社化の理由は、「オフィスサービス事業拡大のため」としており、「ScanSnap」を含む、PFUが世界トップシェアを持つ業務用スキャナーなどとのシナジーを見込む。
一方で、Twitterなどでは同社のコンシューマー向け製品である「Happy Hacking Keyboard」(HHKB)の今後を心配するユーザーの声が多く見られた。同日に開かれたリコーの会見において、同社コーポレート上席執行役員 リコーデジタルプロダクツビジネスユニット プレジデントの中田克典氏は、HHKBなどのキーボード事業について「大切にしたい」と発言した。
中田氏は、「PFUが持っているキーボード、非常にニッチで熱烈なファンが居ることを私も勉強しており、一台買って使ってみているが、非常に使いやすい。このキーボードだが、実は世界中で展開しようとしている。キーボードの年間成長率は8%ぐらいだが、PFUは14%ぐらい。非常に伸びている」と評価。
「(キーボードが)オフィス以外のワークフロムホームのビジネスパーソンにもつながっているというのは、我々にとって大切なエントリーポイントだと考えている。この事業を大切にしながら今後みなさまと将来の展開について議論したい。私としては非常に楽しみにしている」(中田氏)と語った。
PFUは、世界シェアトップのスキャナ&ドキュメントイメージング事業(売上構成比40%)、マネージドセキュリティなどのインフラカスタマーサービス事業(同45%)、国内シェアトップの産業用コンピューターなどを扱うコンピュータプロダクト事業(同15%)を抱える。
リコーは、27日にもサイボウズとの業務提携を発表するなど、複合機企業からデジタルサービス企業への転換を進めており、ワークフローや現場のデジタル化、ITインフラの構築など、PFUが持つ強みと大きなシナジーがあるとしている。
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