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衝撃だった「次世代CarPlay」の現実味 車メーカーが「Car OS」に仕切られる未来か「Apple Car」登場か「自動運転未満」なクルマとドライバーの関係(1/2 ページ)

» 2022年06月08日 09時41分 公開
[渡辺泰ITmedia]

 WWDCが今年も始まりました。いつものように日本時間の深夜2時から始まる基調講演を眠い目をこすりながら見ていたところ、目が覚めるような内容が突然現れました。

 それはスニークピークとして紹介された「次世代CarPlay」です。

In-Car Experienceを再発明する

 画面に表示された次世代CarPlayのUIは、これまでのインフォテイメントスクリーンを超えて、車両のインスツルメントパネル(インパネ)内のスクリーンから伸びるワイドスクリーン全体を使ったとても未来的なものです。

photo ダッシュボード全体

 Apple曰く「車両と深い統合」をしており「カーラジオからエアコンの温度設定まで」CarPlayのUIからコントロールできるそうです。

photo 車両機能

 また、プレゼンの中ではインパネに車のスピードメーターやエンジンの回転計が表示され、それらのUIをさまざまな形式にカスタマイズできることが示されていました。

 これはもはや「Car OS」のポジションですね。

photo ウィジェット

 おそらく次世代CarPlayでは、CarPlay自身の標準機能として車速表示やエアコン操作などをサポートし、サードパーティアプリはこれまで通りのDA画面表示に加えて、ウィジェットの提供が可能になるのでしょう。しかし、そもそもCarPlay自身が車両情報を取れるのか、という疑問があります。

 現在のCarPlay対応アプリで車速などを表示するためには、車両情報を車両側から取得する必要がありますが、そのためには 「External Accessoryフレームワーク」に則ったプロトコル(EAP)を使用して通信する必要があります。ただし、自動車メーカー側が車両情報を提供していればという前提付きです。筆者の知る限り、自社専用アプリに対して車両情報を提供しているケースはありますが、サードパーティに提供しているメーカーはなさそうです。

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