ヤマー Mac版ってありましたよね。西田さんの記事ではカバー範囲が広くなりすぎるとのことで、あえて触れてませんでしたが。
マツ まあ、他のプラットフォームのIEを語ると、Mac版だけじゃなくて、Windows CE版、UNIX版(Solaris版とHP-UX版がある)も入れなくちゃいけないからね。第一、Mac版のIEはActiveXに対応してないし、とてもスリムでモダンで高速な良いブラウザでしたよw
ヤマー あ、なるほどw レガシーの大元になった部分は省かれていたと。でもそれってIEを入れる意味なくなりませんか?
マツ 瀕死状態のAppleを率いていたスティーブ・ジョブズがビル・ゲイツから金を引き出して、代わりの条件として、IEをMacのデフォルトブラウザにして、Office for Mac継続を約束させた、歴史的な基調講演がありました。まあ政治的取引です。
ヤマー あ、あのAppleを救った支援策の中に、Mac版IEの話も含まれていたんですか!
マツ そうなんですよ。Macユーザーが「敵」のブラウザを標準で使わないといけない。Officeなら使わない選択肢もあるけど、ブラウザはそうはいかない。僕はその基調講演の話を聞いて、ショックを受けて編集部でギターを弾いていたそうです(数年前に当時の編集部員から聞いた)。まあ、デフォルトブラウザの切り替えはできましたけどね。
ヤマー となると、ネスケに逃げるMacユーザーもいたんじゃないんですか?
マツ でもネスケがいいかというと、必ずしもそうではなくて。Appleは自前のブラウザがない状態が長く続いていたわけですよ。Safariまで。これって結構な期間ですよね。
ヤマー 西田さんの記事では、ネスケが機能盛り込み路線に移行してから評判が悪くなったとありますね。
マツ IEはそれ自体がWindowsと一体化していたので、動作は軽量で済んだし、Windows自体にWebブラウジング機能を盛り込んだりもできて、未来的ではありましたね。
ヤマー IE3/4あたりからファイルブラウザのエクスプローラーとIEが一体化してましたもんね。
マツ どっちもエクスプローラーで混乱していたユーザーは多かったはずです。
ヤマー ただ、機能追加やセキュリティパッチでIEがどんどん重くなっていた歴史は私も経験してます。Firefoxに移ったり、2008年に登場したChromeが人気になっていきました。
マツ この頃になると、速度競争みたいなのはありましたね。エンジンを変えたりとか。Safariが出てきた時はWebKitすげえってなって、Chromeも採用してWebKitのシェアが最大化したり。
ヤマー BlinkにフォークするまではChromeもSafariと同じエンジンだったの、ちょっと不思議ですよね。
マツ スマートフォンで動作する軽量高速なエンジンはWebKitしか選択肢がなかったというのもありますが。ある意味、WebKitがあったから、iPhoneもAndroidもフルブラウザが動作するモバイル端末として成功したわけで。
ヤマー フルブラウザとして機能できるモバイル向けブラウザにはOpera、NetFront、Windows CE版IEなどいろいろありましたけどね……。
SafariはiOS搭載を前提に作られていたんでしたっけ。
マツ 最初は違ったんですよね。
ヤマー なるほど、もともとはMac用だったと?
マツ リリースされたのはiPhone登場前の2003年ですね。そして、Safari for Windowsが2007年に公開されて。それ以降、僕はWindowsではSafariを使っていました。2012年にディスコンになる前は。
ヤマー Safari for Windowsありましたね。記憶が蘇ってきた……w 同じエンジンで違うブラウザ、今のChromeとEdgeの関係みたいな(違う)
マツ この頃までのWindowsの文字表示は汚くて、Safariのフォントレンダリングが好みだったんですよね。
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