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「ファスト映画を見て衝撃を受けた」 著作権を知らず“映画愛”の表現を間違えた元投稿者(1/3 ページ)

» 2022年08月01日 19時30分 公開
[谷井将人ITmedia]

 「YouTubeで初めてファスト映画を見て『すごいな』って。内容が分かりやすくまとめられていて、動画更新が楽しみだった」──。8月1日、元ファスト映画投稿者の男性が記者たちの前で、動画投稿に至った動機を語った。

 岡山県在住の20代男性会社員Aさん。子供のころから映画鑑賞が趣味で、映画館にもよく足を運ぶ。気に入った映画は何度も見返す。そんな映画好きの彼は2020年に「ファスト映画」と出会った。

photo 元ファスト動画投稿者のAさん(8月1日、東京フレックス法律事務所にて) 匿名、顔出しNGの条件で取材に応じた

「ファスト映画に衝撃を受けた」

 「映画『告白』のファスト映画を見て、その内容や動画の作りに衝撃を受けました。(自分は)映画の内容を知らないのに、映画を1本見たくらいに分かりやすかったです」(Aさん)

 ファスト映画とは、映画を結末まで含めて要約した10分程度の短い動画のこと。21年6月にはファスト映画投稿者が逮捕され、11月には著作権違反により有罪判決が下った事例もある。

 Aさんが見た動画は2010年公開の邦画「告白」の起承転結が分かるように動画を切り貼りした上からナレーターによる内容の考察などを重ねた内容だったという。Aさんは約2時間の映画を短く分かりやすくまとめた動画構成が気に入り、投稿を待ち望むようになった。

 Aさんは“ネタバレ”をあまり気にしない性格であり、映画館で映画を見るのが好きでもある。「告白」はファスト映画で知り、映画館でも3、4回見たという。

 しかしあるとき、理由は不明だが「告白」のファスト映画が削除された。

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