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プログラミングせずAIをDIY! Webブラウザで動くGoogleの機械学習サービスを試す AIの出来栄えは?遊んで学べる「Experiments with Google」(第19回)(1/3 ページ)

» 2022年09月16日 15時00分 公開
[佐藤信彦ITmedia]

 「Experiments with Google」は、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。

 この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。

 読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。

プログラミングできなくてもAIを作れる「Teachable Machine」

 連載19回目の今回は、実際に動くAIモデルを簡単に作れる「Teachable Machine」を取り上げる。

 一般的に画像認識や音声認識できるAIを自作するには、プログラミングの知識はもちろん、数学やAIアルゴリズムの理解も欠かせない。そのため、何かの作業をAIに任せたいと考えても、諦める人が大半だろう。

 ところがAIの仕組みを知らずとも、Teachable Machineを使えばプログラミングせずに手軽にAIモデルを作れてしまう。必要なツールは、普段使っているWebブラウザだけだ。これを体験してみない手はない。

photo ノーコードでAIモデルが作れるTeachable Machine(出典:Google、以下同)

WebブラウザだけでAI作成 高性能なPCは不要

 Teachable Machineは、画像認識といった処理を実行できるAIモデルを作って動かせるWebアプリだ。学習用のデータはPC搭載のWebカメラやマイクを使って用意する。PCさえあれば、Webブラウザ上ですぐに体験可能だ。

 しかも高性能なPCはいらない。実際に筆者はこの記事を書く際に、スペックが低めのChromebookを使ってAIモデルを作った。

AIモデルを作る手順は?

 Teachable Machineで作るAIモデルは、画像と音声、身体のポーズを認識できる。例えばカメラの前に置いたバナナの熟し具合を判断する、マイクで拾った音から手拍子を認識する、身体の向きを調べるなどアイデア次第で応用方法は無限に広がる。

photo Teachable Machineで作るAIができるのは画像や音声、ポーズの認識だ

 使い方は簡単だ。まず「収集」段階で、認識させたい画像や音声のサンプルを入力する。PC搭載のWebカメラやマイクを使ってその場で入力してもよいし、あらかじめ用意しておいたファイルをアップロードしてもいい。

 十分な量のサンプルを集めたら、次は「トレーニング」だ。サンプルを読み込ませてAIモデルに学習をさせる。最後に「プレビュー」でAIモデルが正しく動くかどうか確認しよう。

photo サンプルを集めて学習させるだけでAIを作れる
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