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「Sニー」に行って「魔改造の夜」に出たネコとケトルに会ってきたソニーのゆるふわロボット「poiq」との日々(特別編)(2/4 ページ)

» 2022年09月21日 07時00分 公開

──実は私、ソニーが魔改造の夜に参加すると聞いて、最初に頭に浮かんだのが「Creative Lounge」のことだったんです。あ、絶対あそこで作っているなと思ってみてたら、やっぱりそうでしたね。

田中:Creative Loungeは展示もしているソニー本社の1階にあるのですが、やはりCreative Loungeの存在は大きかったですね。あそこに実際に手を動かすための場所と工作機械などがあり、そこを中心として課外活動のコミュニティがすでにありました。

本社ロビーの一等地を占拠する「魔改造の夜」展示スペース

──まずお聞きしたいのは今回の「魔改造の夜」参加の経緯です。あれは番組側から声がかかるんですか。それとも応募だったりするんですか?

田中:まず社内の少人数で軽く参加したいという話をしてから、正式に応募しました。社風や活動拠点の候補の説明をする面談的なものもありました。社内にさっきもお話したようなCreative Loungeやモノづくりのコミュニティがあることもご説明しました。

──それから社内に参加したい人いますか? と声をかけた感じでしょうか?

田中:その前にまずメンターとして森永と鳳に参加してもらえるかと確認しました。こういうプロジェクトをすすめるには僕にとってソニーの伝説的エンジニアであり、今も現役バリバリで手を動かしている2人に指導してもらえるかどうかが鍵だと思ってましたので。

──メンバーはすぐに集まりましたか?

田中:はい、それがあっという間に80人以上のメンバーが集まりまして、弊社は事業所もいろんなところにあるので、オンライン参加組と実際に手を動かす現地での参加組に分かれました。そして、実際の試行錯誤ではCreative Loungeで速く手を動かして、どんどん試していくことができたのが大きかったです。完成したモンスターには、そこら辺に転がっていた切れ端などリサイクル素材も使われています(笑)。

──活動期間、メンバーのみなさんの様子はどうでしたか?

田中:メンバーの中にはコロナ禍入社でほとんど会社で作業したことがないという人もいました。また、この2年はコロナ禍でどうしても部署をまたがった対面でのグループワークの機会が減っていたので、今回の参加は他の部署の人と交流するいいきっかけにもなりましたね。

──放送後の反響はどうでしたか?

田中:まず放送の予告が思っていたよりも早く出たんですよね。それもあって、ネットや友人・知人の反響は大きかったです。エンタメ企業であるソニーはモノづくりでもエンタメをやるということを見せたかったですし、対戦相手も強力というか、血の気の引くような日本を代表するものすごい企業のみなさんでしたから(笑)。

──まあ、相手はかなりの強敵でしたよね

田中:それから自分たちが楽しんでいる様子を見ていただけたのが、何よりよかったです。というのも、多くの社員が普段業務でやっている開発の様子というのは、当たり前なんですけど、社外秘なので、誰にも見せられないんですよね。それこそ、社内の人もソニーのエンジニアが課題に格闘している姿って、多くの人が見たことないわけです。今回のプロジェクトは課外活動でもあったので、開発期間の約90日は家族にも帰りが遅くなることなどに理解してもらって参加したのですが、放送でその期間、実際に何をしていたのか、どうやって新しいモノができるのかを家族に見てもらえたのも個人的にはとてもいいことでした。

モンスター解剖図も展示

──そうか! 取り組んだことは2つのお題とモンスターですけど、手を動かして、やっていることは、まさに普段の製品開発などでやっている姿勢そのものですものね。そして、また今回のお題がなかなかの難易度でもありましたものね。

田中:そうなんです。お題の内容もまさに放送で流れたままで、事前には魔改造の対象も何も聞いてないので、あのわれわれの驚きはホントにそのままです。まさにゼロから完成までのエンジニアの姿勢を見ていただけこと、それがすごく大事なことだったんです。だから同じソニーの社員からも、自分が挑戦していることにも勇気がもらえたとか、同じ会社のものとして誇りが持てたなんてことも言ってもらえました。そして仕事や専門だけではない、部署を超えて好きなものでつながっている人が多い会社ということを見ていただくこともできたと思います。

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