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Amazonの箱から「ARの犬」が飛び出てきた話シリコンバレーから見た風景(1/3 ページ)

» 2022年09月21日 08時00分 公開
[五島正浩ITmedia]

 こんにちは。シリコンバレーでは夏も終盤を迎えて、そろそろ秋の気配を感じるようになりました(執筆時は8月終盤)。この辺りの学校は日本と違って6月中旬から8月中旬までが夏休みで、夏休みが終わると新学期が始まります。

Appleの「Back to School」キャンペーン

 このため8月に入るころから、そろそろ学校に戻るタイミングだということで「Back to School」という言葉を見かけるようになります。調べてみると、この時期はノートやペンなどの文房具、衣類、バックパックなど新学期の学校生活に必要な商品を購入する人が多いため、その需要を狙ったセールやキャンペーンのマーケティング的な言葉として使われることが多いようです。

 また、このBack to Schoolシーズンには最後の夏の思い出を作りに家族で映画を見て過ごすのが人気で、Apple iTunesではBack to Schoolに合わせて一部の映画のタイトルを期間限定で割引しています。また私が勤めている会社では従業員とその家族のために、キャンパス内の芝生の広場に大型スクリーンを設置して屋外映画鑑賞会のイベントが企画されていました。

 そんな8月のBack to Schoolシーズンのある日、Amazonからちょっと変わった箱の荷物が届きました。

謎の犬のイラストが書かれた段ボール箱

 シリコンバレー生活でもAmazonは重要なインフラになっていて、必要なものはAmazon.comで注文し自宅まで配送してもらうのが日常になっています。いつものように家で仕事をしていたら、Amazonから荷物が届いたと通知がきました。到着を楽しみにしていた商品だったので早速取りに行ったのですが、箱を受け取ってびっくり。

 通常は日本と同じAmazonのロゴだけが入ったシンプルな薄茶色の段ボールに入って配送されるのですが、今回届いたの白い箱で犬のイラストが書かれています。このようなAmazonの段ボール箱は今まで見たことがありません。

 よく確認してみると、どうやら7月終わりからアメリカで公開されている「DC League of Super-Pets」という映画の広告で、箱に描かれている犬はこの登場キャラクターのようです。

いつもと違うAmazonの段ボール箱。映画の宣伝がプリントされている

 なるほど、Amazonの配送用段ボール箱の表面を広告媒体として利用しているということですね。確かに毎日多くの人の手元まで届く箱ですし、表面には十分なスペースがあるので広告をというのは良いアイデアです。ガソリンの値段が高騰している昨今なので、こうした工夫で配送料の値上げを抑えようとしているのかもしれません。

 さらによく見るとオレンジ色のテープのところに「Back to School」と書かれています。新学期の始まりに合わせてAmazon.comで学校用品を購入する人が多いこの時期に、配送用の段ボール箱を使って子供向けの映画の宣伝をすれば効果が高まるということなんでしょう。タイミングも含めてよく考えられたキャンペーン方法だと改めて感心します。

 「へーっ」と思いながらこの段ボール箱をぐるっと一周眺めると、QRコードに気付きました。横には「Scan to bring these super-pets to life」と書かれています。「これらのスーパーペットに命を吹き込むためにスキャンしろ」ってどういうことだろう……?

箱にはQRコードが。そしてスキャンするようにと書かれている
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