ということで今回サンフランシスコでZooxのテスト車両を撮影に出かけてきました。以前に私が見かけたのがサンフランシスコのSFMOMA(サンフランシスコ近代美術館)の前だったことと、最近のネットの目撃情報もこの辺りで撮影されたものが多かったので、今回は3rd StreetとFolson Streetの交差点で待つことにしました。サンフランシスコのイベント会場として有名なMoscone Centerのちょうど裏辺りです。
現地についてしばらく待つと早速Zooxの車両がFolson Streetを通り過ぎて行くのが確認できました。トヨタのハイランダーの側面にはっきりと「ZOOX」と描かれているので間違いありません。また運転席にはドライバーが乗っています。
車両の様子をじっくり観察してみると、上部、前面、後面にはセルフドライビングカーの目となるLiDARやカメラなどのセンサー系の装置が無造作に取り付けられています。また車両自体もマットの黒でかなり地味な印象です。CruiseやWaymoは見た目のデザインも洗練されていて、街の人々に親しみを感じさせるように工夫がされているのに比べると、Zooxの車両はゴツゴツとした印象でプロトタイプ感が漂っています。Zooxはこの車両でロボタクシーサービスを始めるのでしょうか?
実はこのハイランダーのテスト車両は仮の姿で、Zooxはコンパクトなロボタクシー専用車両の開発を進めています。ドライバーレスの完全自動運転なので運転席は無く、乗客4人が前後に二人ずつ対面で座れるようになっています。もちろんEVです。
Zooxはこの車両をドライバーのためではなく乗客のための車両と表現しています。ハンドルなどの人が車を操縦する部分が無いことを前提に設計しているので、小型の車両でありながら乗客用の座席のスペースを十分に確保ができています。また四輪操舵(four-wheel steering)になっているので小回り効くうえ、前方と後方どちらの方向にも走行できるようになっているそうです。なるほど運転席がなくなると前後対象な車両も実現できるんですね。なんだか未来感があってワクワクします。
ロボタクシーの利用シーンを考えると乗客を安全に乗り降りさせることが重要ですが、サンフランシスコ市内は縦列駐車が多いので乗降できる場所を見つけるのは結構難しいです。コンパクトで小回りが効いて、かつ扉も左右にスライドする仕様であることをことを考えると、街中でもスムースに乗降できそうです。
22年7月には「From Code to Road」というプライベートイベントが開催され、フリーモントの組み立て工場の様子を公開するとともに、参加した記者たちが試乗したことが公式サイトで紹介されていました。公道でのテストが始まるのもそれほど先の話では無いかもしれません。
ちなみにCruiseも「Origin」という名前でロボタクシー専用車両を開発しています。近い将来こうした専用車両がサンフランシスコの街中を走り回るシーンを見ることになるのでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR