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Amazonが人を“運ぶ”時代が来る? ロボタクシー「Zoox」とは サンフランシスコでテスト車両を目撃シリコンバレーから見た風景(1/3 ページ)

» 2022年10月25日 10時30分 公開
[五島正浩ITmedia]

 シリコンバレーのIT企業に勤務する五島正浩さんが見た現地のテック動向を紹介する連載「シリコンバレーから見た風景」。第19回は、サンフランシスコの街並みに加わった“新メンバー”にスポットを当てます。


 こんにちは。今回は最近気になるサンフランシスコのセルフドライビングカーの最新情報を紹介したいと思います。

サンフランシスコの街中で見かけたZooxのテスト車両

 これまでこの連載で取り上げてきたように、サンフランシスコではGM系CruiseとGoogle系Waymoが自動運転技術を使ったドライバーレスのロボタクシーサービスの商用化に向けて競い合っています。サンフランシスコに出かけるとCruiseやWaymoのテスト車両を頻繁に見かけます。

 CruiseとWaymoの二大巨頭に加えて、最近サンフランシスコでの目撃する機会が増え、急に存在感が出てきたのが「Zoox」の車両です。そもそもZooxという会社をご存じでしょうか? 聞き慣れない名前かもしれませんが、親会社はなんとあのAmazonです。Amazonもロボタクシーの分野に参入しようとしているのです。

Amazon系ロボタクシー「Zoox」とは?

 Zooxはスタンフォード大学で自動運転の研究をしていたJesse Levinson氏と、デザイナーで起業家のTim Kentley-Klay氏によって2014年に創業されました。シリコンバレーのフォスターシティにオフィスがあります。CruiseやWaymoと同じくセルフドライビングカーを使った配車サービスの実現を目指し、自動運転技術や車両の開発を行っています。2020年にAmazonに買収され、傘下となりました。

 トヨタのハイランダーを使った公道でのテスト走行の歴史は長く、2017年ごろから始まっています。フォスターシティ、サンフランシスコ、ラスベガスに加えて最近Amazonのお膝元であるシアトルも加わりました。

 だいぶ前からサンフランシスコでの目撃情報をネットで見かけることはあったのですが、残念ながら私が街中で遭遇することはありませんでした。テスト車両の数が少なかったのか、私の行動範囲とは異なるところでテストしていたのか。情報が少なかったため、どの辺りを走行しているのか見当が付きませんでした。

 しかし、ここ3、4カ月くらい前から目撃情報が増えてきました。実際私もフォスターシティ近郊のフリーウェイを走行中に初めてZooxのテスト車両を見かけ、その後少ししてサンフランシスコの街中でも偶然見かけました。ちょうど同じ頃、Zooxがエンジニアを大量に採用していたので、実用化に向け開発を加速させるタイミングで公道のテスト走行も拡大したものと思われます。

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