JR東日本は11月8日、自然災害などで信号設備が故障して輸送障害が発生した際、AIを使って設備の状態を確認し、原因を絞り込む復旧支援システムを日本で初めて導入すると発表した。2022年度内に山手線などの在来線の首都圏線区に導入し、エリアを拡大していく。
鉄道の信号設備に問題が起き、輸送障害が発生した際、従来は、技術者のノウハウをもとに、マニュアルに従って装置の状態を一つ一つ確認し、原因の絞り込み・復旧作業を進めてきた。
新システムは、障害の発生状況の時系列を入力すると、過去の輸送障害を蓄積したデータベースからAIが似た事例を抽出し、障害の原因や復旧方法を提案する。
シミュレーションをしたところ、復旧に約2時間要した事象が1時間程度まで短縮できるなど、50%程度の復旧時間削減につながると同社はみている。また、発生頻度が低く、技術者が経験を積むことが難しい障害も、AIが復旧方法を提案できる。
また、MR(複合現実)技術を使ったゴーグルによる復旧手順の習得訓練や、現地映像を活用した遠隔復旧支援なども進めている。ゴーグルは、工事完成時の検査で現地確認する際にも使っており、電気関係職場に100台配備しているという。
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