以上の2パターンのシナリオを考察してみると、どちらであっても検索API利用は非常に厳しい状況だ。検索APIを利用しているマーケターや研究者は特に、有料化を前提として来週の発表を待つのがよさそうだ。
有料化の範囲がどうであれ、Twitter API利用はいままで以上に制限があるものになる。そのときに何が起きるか、と考えるとそれは「APIを使わないTwitter利用」ではないだろうか。
つまり、Twitter Webの画面表示を利用した情報取得や操作(スクレイピング)だ。ツイートをするならプログラムに投稿ボタンを押させてそこにテキストを流し込めばいい。特定アカウントのツイートを取得したいならプロフィール画面を開いてプログラムに読み込ませればいい。
こういうことは技術的には可能だ。しかしTwitter社は、利用規約でスクレイピングをはっきりと禁じている。当たり前だがTwitter Webの画面はプログラムで操作されることは想定していないし、APIを提供している以上はそれ以外の操作方法は望まないということでもある。
しかし、無料の正規ルート(API)がもし完全になくなるのであれば、コンプライアンスを重視する大企業などはともかく、外部監視の目がない個人利用や小規模な利用では「禁止されていても、お金はかけられないからスクレイピングする」という方向に流れることも予想できる。
おそらくは、API利用に比べスクレイピングの方がTwitter社にとってはサーバ負荷も高い。スクレイピングが横行すればサーバの運用コスト増が想定される他、特にひどい利用に対する法的措置を含めた対応にもコストがかかる恐れがある。API利用であればTwitter社側で容易に追えるはずの利用動向もスクレイピングからは取得が難しくなる。
Twitter API有料化はTwitter社収益改善の一環であるはずだが、本当に収益につながる形になるのか。来週の詳細発表に注目したい。
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