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日米のDX進捗率を細かく比較 IPAが「DX白書」無償公開 「日本企業はまだデータ利活用の基礎段階」(1/2 ページ)

» 2023年02月10日 14時15分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は2月9日、日米企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の動向を比較調査した解説書「DX 白書 2023」のPDF版を無償公開した。2021年に公開した解説書の最新版で、全377ページ。米国と比較して、日本企業はまだデータ利活用の基礎段階にある傾向などが明らかになったという。

「DX 白書 2023」

 今回は新たに、154件の公開事例を分析し日本のDX事例を「企業規模」「産業」「地域」の三軸で俯瞰した図を掲載。例えば地域別でみると、北海道では農業でのデジタル活用、甲信越ではドローンによる森林調査などを行う傾向が見られたという。IPAは「規模や業界、地域性など自身の状況やニーズに応じたDX事例を探しやすくなった」と説明する。

俯瞰図の例

 日米企業への最新のアンケート調査も掲載している。例えば、DXに取り組む企業の数を21年度と22年度で比較すると、22年度では69.3%に及び、13.5ポイント増加していた。DXの成果の有無についても21年度の49.5%から、58.0%まで増加。しかし、米国では「成果が出た」が89.0%となっており、日米間の差は依然開いている結果になった。

DXへの取り組み
DXの成果

 IT分野に見識がある役員の割合は、「3割以上いる」という回答は日本で27.8%、米国では60.9%と、2倍以上の差に。DXを推進する人材について、「充足している」と答えたのは日本で10.9%、米国で73.4%だった。人員の不足率は米国が20.9%から3.3%へ減少していたのに対し、日本では30.6%から49.6%に拡大し、日本のIT人材不足がより顕著になっている。

ITに見識がある役員の割合
DXを推進する人材の「量」の確保
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