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JRの券売機が「使いづらい」と話題 なぜ今のUIになったのか?(2/3 ページ)

» 2023年02月22日 10時00分 公開

なぜ指定席券売機は複雑に見えるのか

 下図は2022年末時点での指定席券売機の初期画面だが、基本的に新幹線または在来線特急を利用するための画面構成になっている。「自由席」の場合は時間指定がないため(有効日の指定のみ)、「指定席」または「乗換案内から購入」では乗車する列車と座席指定を行う点が異なる。

指定席券売機の画面例(出典:JR東日本)

 3つのメニューで共通なのは「乗り降りする区間を指定する」点で、「だったらメニューの最初に区間指定や乗車可能な列車の時間検索をさせるべきでは?」という意見があるのも理解できる。実際、冒頭で触れた欧州鉄道の券売機はその方式で。難易度が高いと感じるのは検索で表示される駅名候補が多過ぎて分かりにくい点だ。

 なぜ指定席券売機がこのような画面構成になっているかといえば、JRグループが運用している予約・発券システムの「マルス」の仕様に準拠しているためだ。「マルス」は日本国有鉄道時代から開発や刷新が続いているシステムで、“火星”の「MARS」に引っかけた造語(Multi Access seat Reservation System)とされている。現行のシステムは2020年から稼働を開始した「マルス505」で、各種インターネットサービス対応やチケットレス対応、そして窓口補助業務の機能が付いたアシストマルスへの対応が行われている。

最新の「マルス505」

 初期画面が「指定席」と「自由席」でメニューが分かれているのがマルスの特徴で、有人窓口で駅員が操作する発券端末のメニュー構造がそのまま反映されていることによる。なお、「マルス端末」とは駅員が操作するものだけでなく、指定席券売機のような利用者が操作する券売機についても「顧客操作型端末(MV)」の名称が付いており、合わせて「マルス端末」だ。

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