訓練では震災発生直後を想定した安否確認と集計、炊き出しなどを行った。とくに大変なのは水の運搬で、1人10Lの水を持ち20階まで階段で運ぶという。訓練中の参加者に話を聞いたところ「私の住居はさらに上層階。災害が起こったらどうしようと思いました」と話していた。
訓練にはオンラインでも参加でき、担当者が住民の質問に答えたり、逆に各家庭の備えを聞いたりしていた。やはり水や食料、カセットコンロなどを備えている住民は多かったが、非常用トイレを準備している過程は少なく、あっても必要数に達していないケースがほとんどだ。
三菱地所では大人1人あたり1日5〜7回分を2週間分(70〜100回分)そろえるのが望ましいと話しており、住民からは「そんなに必要だとは思わなかった」などのコメントも寄せられていた。
安否確認の訓練には2棟合わせて1021戸が参加した。さらに約70人がオンラインで、約10人がパブリックビューイングで参加するなど参加率は高かったようだ。
管理組合や住民が協力して避難生活を送るには普段からのコミュニケーションが必要だ。今回のような避難訓練やイベントを通じて「顔見知り」になることで住民同士が互いに配慮したり、外部から不審者が侵入した場合でも発見したりできるようになる。避難生活への備えは、普段の生活の安全を守ることにもつながるのだ。
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