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本当は怖い、HDDの正しい捨て方 「普通に捨てると盗まれます」──アキバの専門業者が明かす“狙われる情報”デジタルガジェットのあとしまつ(1/3 ページ)

» 2023年03月25日 09時00分 公開
[谷井将人ITmedia]

 もはや仕事や生活になくてはならないものになりつつあるデジタルガジェットの数々。購入を薦められることは多々あるが、正しい捨て方は知られていない。本連載では、デジタルガジェットの正しい捨て方を専門家に聞いていく。

 今回はHDDの捨て方を紹介する。電子機器の買取やジャンクパーツ販売の傍ら、記憶媒体の物理破壊を100円で受け付けている「秋葉原最終処分場。」の中川宗典店長にHDDを捨てるうえでの注意事項を聞いた。

photo 「秋葉原最終処分場。」の中川宗典店長

HDDの捨て時は? 分からずずっと持ったままの人も

── HDDの正しい捨て時を教えてください。

中川店長 HDDの寿命もありますけど、あんまり当てにならないですね。運要素があるので。人それぞれだと思うんですけど、うちに来る人では「今使っているものが壊れちゃって、新しいのを買ったから」ってパターンが一般的です。あとは引越しとか年末年始の大掃除の時とかですね。

 そもそもHDDを捨てるという考え方がなかった方が結構多くて、秋葉原最終処分場。を知った人が「やっと捨てられる」となって持ち込まれる方が結構いらっしゃいます。

photo 穴が開いたHDDたち 1ケース当たり25kgになるという

 一般の方はPCからHDDを取り出すことができないので、もう10年以上捨てるに捨てられなくて、ずっと押し入れに残っていることもあります。「データが中に残ってるから困ってた」とPCごと持ってこられて、処分を受けることが割とあります。5回の引越しを乗り越えてもまだ残っているHDDってあるんですよ。

 生前整理で捨てる話もあります。例えばですけど、余命1週間って宣告されたら絶対HDDは捨てるじゃないですか。うっかりやってなかったら地縛霊として浮遊し続ける感じになる。

 遺品整理屋さんでも捨ててくれはしますけど、やっぱり専門家ではないので、データが残ってるのは珍しくないです。経験則がないとそもそも分解ができないですしね。

── HDDを捨てる上での注意点は何ですか?

中川店長 情報の漏えいですね。あるあるとしては、その辺のリサイクルショップにPCを売った後、そのまま(中のデータが削除されずに)流通してしまうことが挙げられます。さすがに秋葉原のお店ではそういうことはないと思いますが。

 ただ、われわれ古物商が仕入れを行う「古物市場」で出てくるPCに、個人情報がそのまま残ってるというのは割と珍しい話ではないです。

 個人情報が残っている理由としては、(業者が引き取ったときに)ACアダプターがなかったとか、そもそも電源が入らないからとか、分解が難しくてできないからとか、いろいろな理由で適切な廃棄処理ができなかったケースがあります。

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