中川店長 最近だと、HDDとSSDを両方搭載しているPCもあるじゃないですか。SSDのほうにデータが入ってることを知らない人も多いです。
引き取る際に「これはHDD、これはSSD、2つとも壊さないとだめですよ」と説明して、それぞれ破壊しています。
SSDの場合、メモリ(RAM)と見分けがつかないんですよ。「これメモリでしょ?」「いやメモリじゃないですよストレージですよ」というやりとりもあります。
(基盤がむき出しになっている)「mSATAタイプ」に至っては「これは無線LANのカードだから関係ないよね」と言われて「いや違いますよ、(データ)入ってますよ」と説明することもあります。
M.2型端子のSSDやmSATAタイプは、同じ形のWi-FiカードやBluetoothカードも存在します。われわれは数をこなしてるので見分けられますが、普通の人はまず無理だと思いますね。HDDは取り外したから大丈夫だと思っちゃう人もいます。
うちに持ってくる方には「心配だったら本体ごと持ってきてください。引き取りもできますよ」と案内しています。
── 適切にデータ消去できていないとどんな問題が発生しますか?
中川店長 意外と皆さん気づいてないのは、キャッシュに残っているネットバンキングやクレジットカードのデータの漏えいですね。それが結構危ない。
悪いことを考える人って、お金に絡む情報を欲しがるというか。残っている文書や写真に目が行きがちですけど、一番注意するべきはそういうお金に絡むところで。
極端な話ですけど、残ってた情報でAmazon.co.jpにログインできたら、勝手に送り先を変更して買い物をして換金することもできるじゃないですか。可能性は限りなく低いですけど不可能ではないという。
これもまれなパターンだと思いますけど、企業が所有していたHDDに個人情報をまとめたデータベースが入っていた場合にもクリティカルな問題になりますよね。
無頓着な人はHDDを捨てるときにも「いいよどうせ大したデータ入ってないんで」と言いますけど、その人と仕事をしてた人にまで迷惑が掛かることもあるので、やっぱりちゃんとデータ削除をした方がいいんじゃないかと思いますね。
デザイナーさんや写真家さんだと、秘密保持契約の関係で万が一にでも外に出たらまずいデータが入っているケースもありますね。
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