松野博一官房長官は4月6日の会見で、教育現場における「ChatGPT」をはじめとした生成系AIの活用について方針を示した。文部科学省が参考資料を取りまとめる方針という。
「教育における新たな技術の活用に当たっては、メリット・デメリット双方の注視が必要。現在は文部科学省において、生成系AIの取り扱いについて、学校現場が主体的な判断をする際、参考となる資料の取りまとめを行う方針」(松野博一官房長官)
ChatGPTは、米国のAI研究企業OpenAIが2022年11月30日(現地時間)に発表。テキストで質問を投げかけることで、AIがそれに回答するサービスだ。日本語にも対応しており、最新の大規模言語モデル「GPT-4」を搭載したバージョンは、入試や資格試験の問題などにもある程度回答できる。例えば2022年度司法試験のうち、刑法分野の短答式試験を解かせたところ、50点中25点を獲得した。
汎用性の高さから、日本の民間企業でも続々と活用や研究が始まっている。例えばパナソニック子会社のパナソニックコネクトは、ChatGPTが活用する大規模言語モデルの一つ「GPT-3.5」をベースにしたAIアシスタントを全社員向けに提供。ゲームメディア「電ファミニコゲーマー」は、ニュース記事の執筆に活用しているという。
一方、国の対応にはまだ明確な指針がない状態だった。ただし、海外では具体的に方針を示す国も出ている。例えばイタリアでは、個人データ保護のための保証機関GPDPが、プライバシーが順守されるまでChatGPTの活用を禁止すると発表している。
卒業式の式辞をChatGPTで作成、富山県立大の学長が実践 その内容は?
「GPT-4」搭載ChatGPTは、日本の司法試験に合格できるか 英語なら上位10%のスコアで合格レベル 結果は?
「GPT-4」発表 日本語でもChatGPT英語版より高性能、司法試験で上位10%、「この画像何が面白いの?」にも回答
「幸せになるには?」に答えてくれるAI「ChatGPT」 日本語でさまざまな質問に回答 Twitterでも話題
日本独自のAIモデル開発は難しい 自民党が「AIホワイトペーパー(案)」公開Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR