懐かしい「ポートピア連続殺人事件」がAI技術を体験できるゲームとして復活し、「Steam」で無料配信されています。プレイした人の評価はいまひとつのようですが、何が悪かったのでしょうか。そして呼び覚まされた40年前の記憶とは?
ポートピア連続殺人事件はもともと1983年にPC-8801用に発売されたアドベンチャーゲームです。後に「ドラゴンクエスト」シリーズで有名になる堀井雄二さんが手がけ、当時日本ではまだ一般的ではなかったアドベンチャーゲームのスタイルを確立した記念碑的な作品です。
ストーリーは神戸で起こった連続殺人事件の謎を刑事(プレイヤー)が解き明かすというもの。その重厚なストーリーが魅力で、後にファミコンなどにも移植されて人気を博しました。
リメイクされた今作の見どころは、キレイになったグラフィックもさることながら、AIの「自然言語処理技術」を体験できること。事件の捜査はキーボードでコマンドを打ち込む形でゲームを進めていくのですが、多少あいまいな表現でもAIはちゃんと理解し、適切に対応してくれます。
ただゲームの本筋から外れた話題になると全く反応しませんし、事件に関係のあることでも命令の仕方によっては的外れな返答になったりもします。結局は無難な命令しか出さなくなり、普通のコマンド選択型アドベンチャーゲームと変わりません。
実は自然言語処理技術の他に、入力した言語に対してAIが自然に返事をしてくれる「自然言語生成技術」も搭載する予定だったのですが、今回は採用を見送ったそうです。理由はAIが倫理的・権利的に問題のある文章を生成する可能性があるため。今後その辺がどのように解決するのか個人的にはとても気になります。
AI技術のすごさはあまり感じられませんでしたが、プレイしていると子どもの頃に遊んだファミコン版の思い出が次々と蘇ってきました。謎のダンジョン、怖かった壁の落書き、そしてちょっとドキドキしたオトナの世界……詳しくはマンガで。
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