一方、5億3000万円以上の特別損失を出しつつも、事業にチャンレジしたことは自身で評価しているという。「チャレンジとしては、やっぱり素晴らしかったとしか思えません。例えば、 数年前の同じ現場に引き戻されたら、全く同じ決断をしていたと思います」「特損まで出して、事業の終了を決断するという形にはなりました。ですが、チャレンジをし続けるというのは、バルミューダのDNAだと思いますし、そこに対して躊躇せずいったということは、私は良いことだったと思っています」(寺尾氏)
携帯端末事業で得られた知見もあるという。「私、これまで家電はIoTにしてもしょうがないですと言ってきましたが、今は違う風に考えています。これまでとは違うレベルのインターネットテクノロジーと生活家電や、生活にまつわる道具の組み合わせ方があるのではないのか。その辺に対しても、フレッシュな考え方があります」と、家電のIoT化に言及。
続けて「インターネットテクノロジーに繋がるとしたら、スマートフォンの上で動くアプリも必要です。 この辺は今回鍛えてきましたので、社内のチームや知見というのが、今後の我々のビジネス展開に大いに役立っていくのではないか」と、端末開発で培った知見を家電にフィードバックすることを検討しているという。
再参入の可能性はあるのだろうか。記者から「家電事業が好調になったら、また端末事業をやろうという気持ちはあるのか?」という問いに対し、寺尾氏は「色々なタイミングがあって、もう1回やってもいいよって神様が言ってくれるなら、ですよね。今日の段階では、慎重に検討したいと思います」と、控えめに回答した。
なお、寺尾氏はBALMUDA Phoneのストックを自分用に10台持っているという。「私としては、BALMUDA Phoneが大好きで。持ちやすいんですよ。持つストレスが非常に少ないので、結果、自分にとっては使いやすいです」「白と黒、5台ずつ計10台の在庫を自分用に持ってまして、しばらくの間は携帯には困らないなという風に思っています」と明かす。
BALMUDA Phoneは、今後もソフトバンクショップやバルミューダショップなどで販売を継続するという。セキュリティアップデートは2023年11月まで提供予定で、それ以降、致命的な脆弱性が発見された場合は対応を検討するとしている。
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