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Apple「Vision Pro」の発表に出なかった言葉 「VR」「メタバース」(1/2 ページ)

» 2023年06月06日 19時14分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 「One more thing…」(もう1つあります)。

 古くからのAppleユーザーにとっては特別な意味を持つ言葉に続いてティム・クックCEOが披露したのは、「新しいAR(拡張現実)プラットフォーム」という「Vision Pro」だった。同時に「Apple初の空間コンピューター」でもあるという。

「Vision Pro」

 Vision Proはヘッドマウントディスプレイ一体型のウェアラブルコンピューター。Apple M2チップを搭載し、新しい「visionOS」の上でアプリが動く。

 ディスプレイパネルは「iPhoneのピクセル1個分のスペースに64ピクセルを詰め込んだ」とする超微細な画素を持つMicro OLEDパネルで、これを2枚使って片目あたり4K超え(総画素数2400万ピクセル)という解像度を実現した。

 Vision Proでは多くのカメラや様々なセンサーを駆使して新しいユーザーインタフェースを作り上げた。例えば装着しても周囲は見えるが、それはカメラが映した光景で、バーチャルなウインドウがいくつも浮かび上がる。ユーザーは視線を動かして項目を移動し、指タップで選択。文字入力は音声認識やバーチャルキーボードで行う。

切手ほどの大きさのMicro OLEDパネルを2枚使い、総画素数は2400万ピクセル

 リアルに見えても実はバーチャルな空間なので、これまでにない機能も実現できる。例えばダウンロードした3Dモデルはそのままチェックできるし、部屋の中にあるMacを見つめるだけで、Macのウインドウが目の前に広がったりもする。

 クック氏は、Vision Proを「Apple初の空間コンピューター」と表現した。Vision Proが単なるVRゴーグルではなく、従来にない使い方ができる新しいコンピューターと位置づけた。

Macを見つめるだけでそのウインドウが目の前に広がる
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