1つはソニーのVLOGCAMのヒットだ。α6xxxシリーズと似たデザインテイストながら、設計コンセプトが異なる「ZV-E10」の誕生である。
どのデジタルカメラも動画市場のニーズを見据えて動画機能を強化していたのだが、VLOGに特化したカメラをアピールし、型番まで変えてきたのはさすがソニーだ。音声を重視してカメラを強化し、背景ぼかしや商品レビューモードなど独特の機能を積んできた。
同じ月、ニコンからまったく別の方面からちょっとしたヒット作が出る。メカダイヤルを増やし、クラシカルなデザインで登場した「Z fc」だ。そのちょっとレトロなテイストがフィルムカメラにかつて親しんだ年配のユーザーではなく、若いユーザーにハマったのである。
これらはコロナ禍に起因する半導体不足にひっかかったのが不幸ではあるが(ZV-E10は半導体供給不足や流通の問題がなければもっと売れていたのではないかという)、あらたなユーザー層の開拓という意味では注目すべき機種だった。
そして1年前(つまり22年7月)から各社が動き出したのだ。
1つはソニーが作ったVLOGカメラという流れ。
ニコンがVLOGカメラとして「Z 30」を投入。ソニーはフルサイズセンサーを搭載した上位モデルのZV-E1を用意して市場を上に拡げてきた。富士フイルムもVLOGにも力を入れた「X-S20」を投入したのである。
そして、カメラ業界の大物であるキヤノンが動いた。
22年7月に「EOS R10」、翌23年の3月にはKissの正当後継機種といって過言ではない「EOS R50」。6月には超廉価な「EOS R100」と待ってましたと言わんばかりに一気にそろえたのだ。ちょっと上位の「EOS R7」やエントリー向けフルサイズの「EOS R8」を含めると、エントリーからミドルクラスだけで1年で5機種である。
さてはコロナ禍が一段落してカメラ市場が再び活性化するぞ、と睨んで着々と準備してたんじゃないかと思うくらいの立て続けの投入ではないか。
そして23年7月にはソニーが久しぶりにα6xxxシリーズの新作「α6700」を発表。価格もちょっと上のハイエンド機なのでちょっとジャンルは違うけれども、そのα6xxxシリーズに新型が出たというのが大事だ。
かくして、新たにカメラを始めよう……という言い方は変だな、スマホではなくカメラを使って写真を撮りたい、あるいは映像を録りたい人……さらには自らカメラ沼にはまりたい人にとってはこの夏は大チャンスとなったのだ。
でも、いざいっぱい出てくるとどれを選ぶべきか悩ましいので、最後におすすめのAPS-Cサイズミラーレス一眼を4機種あげさせてもらいたい。
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