そろそろデジタル一眼を使ってみたいという皆様、この夏はちょっといいカメラをもって出かけたい、作品を撮りたい、動画も撮りたいと思っている皆様。いい時期が来たかもしれない。
ここ数年、スマートフォンの普及とそのカメラ性能の強化のあおりを受けてデジタルカメラ市場が縮小し、それに追い打ちをかけたコロナ禍もあり、新製品も減り、カメラ好きは不安に思ったものである。が、その間に着々と次世代への準備が進んでいたのだ……たぶん。
ここ数年のデジタル一眼の流れをまず振り返りたい。
ざっくりいえば、2018年から19年にかけてニコン、キヤノン、パナソニックが、ソニーがほぼ独走していたフルサイズミラーレス一眼市場に参戦。21年にはソニーの「α1」、キヤノンの「EOS R3」、ニコンの「Z 9」と最高性能を追求した最上位モデルが登場し、Z 9は何カ月も待たねばならないほどの人気となる。価格的には70〜90万円という一般のユーザーには手が出ないレベルだったが、ミラーレス一眼もここまで進化した、という意味でもすごく注目されたのである。
その反対にエントリーからミドルクラスの市場は停滞していた。
デジカメ全盛期は新たに自分のカメラが欲しいという層がかなり厚くて、手頃な価格で提供すれば多くの人が動いたのだが、そこが弱くなっちゃったのだ。
市場はそういう動きに敏感で、製品を見ても、エントリークラスの代名詞だった「EOS Kiss」は20年の「EOS Kiss M2」が最後(しかも初代Kiss Mのマイナーチェンジのようなモデルだった)だったし、ソニーのAPS-Cサイズミラーレス一眼であるα6xxxシリーズは19年の「α6600」(とエントリー機のα6100)を最後に動きが止まり、フルサイズのα7シリーズだけが進化するという状況だったのだ。
高価なハイエンド機の性能がどんどん上がり、機械学習を駆使した高性能な被写体検出AFや電子シャッターを使った超高速連写、高性能なイメージセンサー、大きくて見やすいEVFなどカメラとしての魅力を高めていたのに対し、エントリー機は性能面でも停滞気味だったのである。
ハイアマチュアやプロ向けのハイエンド機が売れても、魅力的なエントリー機が出続けないと新しくカメラの世界に飛び込もうという人がなかなか増えず、カメラ市場全体にとって良くないよね、と友人らとそんな話をしてた記憶がある。
だがしかし、いつまでもそのままではないのだ。
21年にちょっと動きが出る。
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