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ミリ波レーダーで睡眠や心拍数をモニタリング 寝室見守りデバイス「ポム」のすごいところ(2/3 ページ)

» 2023年08月14日 18時33分 公開

 そして、ミリ波レーダーを採用することで、睡眠中の動きを検出することが可能になり、同時に独自のアルゴリズムにより心拍数や呼吸数までモニタリング可能になりました。なお、POMの精度については、心電図との比較で平均絶対誤差率は6.36%というデータもTellusは公開しています。そして心拍数のような小さい動きだけではなく、睡眠中の身体の動きという大きな動きも検出できるのも、やはりミリ波レーダーのおかげなわけです。

POM本体。「無印良品」などの製品デザインも手掛けてきた鈴木元氏の手による

 POMがこれまでB2Bの分野で実績を積んできたのが、ホテルや病院、介護施設などであることからも、それは納得できるのではないかと思います。

 では、POMはカメラで人を見ているわけではないのに、なぜ人と認識できるのか。それはミリ波レーダーで対象物を検出する際、身体のサイズも見ることで、人と認識しているのだそうです。だから、例えば猫といっしょに寝ていても、人のモニタリングだけできるというわけです。

 つまり1人暮らしをしている高齢者と家族が、心理的にも安心して、異常に気づくことができることができるのがPOMなのです。なお、POMの名前は、Peace of Mindに由来しています。また、POMが取得しているデータはレーダー情報のみで、プライバシー情報はなく検出もしません。

 POMから取得したレーダー情報はアプリ上で活用され、人が見て理解できる形になります。そして、長期にデータを取得すればするほど、毎日の習慣、そこからの異常値などを検出することができるようになります。さらに、何か最近行動に変化が出ているとか、睡眠の状態が変化してきているなどといったことが分かるようになるわけです。もちろんデータはリアルタイムで検出しているので、異常値があれば通知を出すこともできます。

アプリでは「おばあちゃんは朝起き、日常生活を始めました」といった形で確認できる

 POM本体のデザインは「無印良品」などの製品デザインも手掛けてきた鈴木元氏の手によるもの。寝室という身体を休めるための部屋にマッチする周囲に溶け込むデザインとなっています。最初ミリ波レーダーを採用しているということで、大きな筐体を想像していましたが、手のひらサイズほどの大きさになっています。そして、設置は寝ているところが見える壁に貼り、USBケーブルで電源供給をするだけです。

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