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GPT-4で「親鸞ボット」「菩薩ボット」開発 京大「仏教対話AIの多様化に成功」

» 2023年09月14日 09時04分 公開
[ITmedia]

 京都大学とベンチャー企業のテラバースムは9月12日、仏教の経典を学習させ、ユーザーの悩みに答えるチャットボット「親鸞ボット」「世親ボット」を開発したと発表した。米OpneAIのLLM「GPT-4」を活用。従来からの「ブッダボット」とあわせ、「仏教対話AIの多様化に成功した」としている。

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 浄土真宗の開祖・親鸞(12〜13世紀)の聖典「正信偈」と、大乗仏教の「唯識」を大成し、アジア各地で教えを広めた菩薩の世親(4世紀)の聖典「倶舎論」をそれぞれ学習させたチャットボット。

 AR技術を活用し、現実を映した背景に親鸞や世親の仏像画像を重ねるなどして視覚・聴覚を用いたコミュニケーションも可能にした。

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 研究チームはこれまで、仏陀の聖典を学習させた「ブッダボット」を2種類開発。1つめはGoogleの「Sentence BERT」を応用し、Q&A形式で機械学習させてそのままの形で回答を生成するもの。2つめは、GPT-4活用して仏教経典の文言を学習させたうえで、解釈や追加説明を生成して提供できるようにした「ブッダボットプラス」だった。

 「新旧ブッダボットに加えて、親鸞ボット、世親ボットが開発されたことで、仏教の教えを生み出したブッダ、その教えをさらに哲学的に分析した菩薩、そして、教えをアジア各地で伝えた高僧という、仏教の主要なタイプの伝道者の対話ボットがそろった」としている。

 今後さらに、哲人や聖者たちの対話AIを順次開発していく計画。研究チームの熊谷誠慈准教授は、「今後、伝統知とテクノロジーを融合した『伝統知テック』開発をさらに加速し、より豊かなデジタル文化を提供したい」とコメントしている。

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