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生成AIはキャラに命を吹き込む──米NianticのARゲーム「ペリドット」進化 Meta「Llama 2」活用

» 2023年11月16日 17時09分 公開
[ITmedia]

 「Pokemon GO」(ポケモンGO)などのAR位置情報ゲームで知られる米Nianticは11月15日(現地時間)、バーチャルペット育成ゲーム「Peridot(ペリドット)」(iOS、Android)を生成AIを使ってアップデートしたと発表した。「AIは、デジタルのキャラクターに命を吹きむこともできる」としている。

ARペット育成ゲーム「Peridot(ペリドット)」

 Peridotは不思議な生き物「ペリドット」(以下、ドット)を育てて繁殖させるゲーム。今年5月にリリースした。特徴は「まるでそこにいるかのようなAR表示」。実在する床や机を認識し、画面内でドットが机の上に座ったり、机の下に隠れたりするオクルージョンと呼ばれる処理にも対応している。

 これはスマートフォンのカメラで撮影した実際の映像を、Nianticが「コンピュータビジョン用AIアルゴリズム」と呼ぶ処理で3Dデータに変換しているために可能になったことだ。さらに画面内にある個々のオブジェクトが何か──例えば机やお皿、食べ物といったことまで認識する。

 ここまではリリース時点で実現していた機能だが、Nianticはさらに、ドットが目の前にある物にどうリアクションを取るか? という点にLLM(大規模言語モデル)を活用した。

 個々のドットには年齢や性格(内向的など)、生い立ちといった情報があり、これを見つけた物の情報と一緒にMetaの「Llama 2」(カスタマイズあり)に送り、どう反応するかを尋ねる。するとドットは、従来より幅広いリアクションを取るようになった。

 例えば、あるドットは机の上にあった食事を終えた皿を見つけ、その上で転げ回った。これはNianticの開発メンバーにとって想定外のリアクションだったという。

皿の上で転げ回るドット

 ペリドットでは当初から、ドットのアクションとなる膨大なアニメーションライブラリを用意していたが、従来のAIでは十分に活用できていなかった。しかしLLMを用いた新システムのおかげで、これらのアニメーションにも出番が回ってくるように。「まるでペリドットが本当の生き物のように学習し、適応し、個性を発揮している」という。

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