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「肖像権を侵害」「一律の規制は」 鉄道各社、私人逮捕系YouTuberへの対応に苦慮(1/2 ページ)

» 2023年11月24日 17時58分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 盗撮や痴漢といった犯罪が疑われる一般人を追跡したり、拘束したりする様子をSNSなどを通じて発信する「私人逮捕」系と呼ばれる動画などを巡り、鉄道各社が対応に苦慮している。動画の撮影について、鉄道会社からは「肖像権・プライバシーの侵害などに当たる可能性もある」「必要に応じて警察と連携を図る」といった声がある一方、「様々な場面や状況があり、一律に規制することは難しい」といった対応の難しさを指摘する声も挙がっている。

必要に応じて「警察と連携」

 11月13日に警視庁に名誉毀損容疑で逮捕されたYouTuber「煉獄コロアキ」こと杉田一明容疑者は、痴漢や盗撮をしたと疑われる一般人を取り押さえ、警察に引き渡す動画などを多数投稿。また、逮捕の様子を動画撮影して公開するため他人に覚醒剤の所持をそそのかしたとして、覚醒剤取締法違反(所持)の教唆容疑で警視庁に20日に逮捕されたYouTuberの中島蓮こと今野蓮容疑者らは、駅で痴漢を行ったという男性を問い詰める動画を投稿していた。

 こうした動画の投稿について、JR東日本は「プライバシーに関わるほか、お客さま同士のトラブルにも繋がるため、他のお客さまが映るような撮影、またその動画の公開についてもお止めいただきたい」と説明する。

 また、東京メトロは「前提として、電車内における痴漢等の犯罪や迷惑行為については、鉄道事業者として看過できるものではありません」としつつ、「お客さま同士のトラブルや、撮影に伴うお客さまの肖像権・プライバシーの侵害などに当たる可能性もある」と指摘する。

 京王電鉄は「環境を乱すような撮影行為が見られた際は、おやめいただくようお願いをいたします」としており、「必要に応じて、警察などとの連携を図っております」という。

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