IT機器に用いられるレアメタルなどの天然資源を巡る森林伐採からゴリラを守ろうと、NPO法人テラ・ルネッサンス(京都市下京区)は京都市動物園(同市左京区)に専用のリサイクルボックスを設置し、不要になったスマートフォンなどの回収を呼びかけている。名付けて「ゴリラのためのスマホ回収プロジェクト」。回収されたスマホはメーカーに送られた上でレアメタルなどが取り除かれ、新たな電子機器の部品として生まれ変わるという。
全ての生命が安心して生活できる社会の実現を目指す同法人。アフリカやアジアを中心に紛争被害に対する支援などを継続している。
同法人によると、ゴリラの生息地であるコンゴ民主共和国では、レアメタルなどの天然資源を求めて森林伐採が行われている。この影響で生存環境が悪化し、ゴリラの個体数が減少しているという。
今回の取り組みは、森林伐採からゴリラの生存環境を守りたいという動物園側からの要望があり、実現した。2023年9月から約1カ月間、上野動物園(東京都台東区)に設置した回収ボックスには、計222個の携帯電話が集まったという。
使用済みの電子機器は貴金属やレアメタルを多く含むため「都市鉱山」とも呼ばれている。同法人の担当者は「コンゴの紛争鉱物問題を解決することが、ゴリラを守ることにつながるはずだ」と話している。
京都市動物園の専用リサイクルボックスは、ゴリラが展示されているエリアに置かれている。設置は12月27日まで。(堀口明里)
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