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露情報機関、英政官界に大規模サイバー攻撃

» 2023年12月08日 10時17分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 【ロンドン=黒瀬悦成】英政府は12月7日、ロシア情報機関「連邦保安局」(FSB)が英国内の政治家や公務員、記者、民間団体関係者らを標的に大規模なサイバー攻撃を仕掛けていたと発表した。英政府はFSB傘下のハッカー集団の構成員ら2人を制裁対象にしたほか、駐英ロシア大使を呼び出して「深い懸念」を表明したとしている。

 英政府によると、FSBは2015年から今年にかけて、サイバー諜報の担当部門「センター18」および同傘下のハッカー集団「スター・ブリザード(別名カリスト・グループ)」を動員し、複数の政党の国会議員らに偽メールを送って機密情報を得る「スピアフィッシング」を実行した。

 18年には偽情報対策などに取り組む英政策研究機関にハッカー攻撃を仕掛け、21年には同機関の創設者のアカウントに侵入し、文書類を盗み出した。19年の英総選挙に絡んで英米間の貿易文書を流出させたことも判明したとしている。

 英政府は、英国政治や民主体制への介入は阻止できたとする一方、同様の攻撃が繰り返される公算は大きいと指摘。キャメロン外相は「同盟諸国とともにロシアによるサイバー分野の秘密活動を暴き、責任を取らせる」と強調した。

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