ITmedia NEWS > 社会とIT >

中国当局が「ガチャ」禁止 オンラインゲームの規制強化案 未成年者保護で

» 2023年12月25日 10時24分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 【北京=三塚聖平】中国当局は12月23日までに、オンラインゲームに関する新たな規制案を公表した。オンラインゲームに関して「国家安全に危害を加える内容を含んではならない」と明記した他、未成年者に対して「ガチャ」と呼ばれる有料のくじ引きのようなサービスを提供することを禁じた。

中国当局はこれまでも、未成年者のオンラインゲームの利用を制限するように企業に求めてきた。新規制が導入されれば、さらに規制が強まることになる。

 中国でメディアなどを管轄する国家新聞出版署が22日、パブリックコメント(意見公募)のために「オンラインゲーム管理規則」案を公表した。2024年1月22日まで意見を募集する。

 それによると、同規則案は「ユーザーの合法的な権益を保護し、未成年者の心身の健康を保障する」ことなどを立法目的に掲げた。

 ゲームの内容に含んではならない内容として、「国家の統一や主権、領土の保全を脅かす」ことや、「国家秘密の漏洩、国家安全に危害を加えたり国家の栄誉や利益を損なう」といったことを挙げた。

 また、過度の利用や高額消費を制限するためとして、ゲームへのログインを毎日させることや、連続で課金させるといった仕組みを設けないよう求めた。

 未成年者の利用に関しては、ガチャのほか、ゲーム内で使用するアイテムのオークションのサービスを提供しないよう規定した。

 中国当局は2021年にも、オンラインゲームの運営企業に対し、18歳未満の未成年者の利用を週末と祝日などの各1時間のみとするよう求めた。当時、中国国営メディアがオンラインゲームについて、子供の精神をむしばむ「アヘン」だと批判するなどゲーム業界への風当たりが強まっていた。

 今回の新規制案の公表を受け、中国のオンラインゲーム運営企業に与える影響が懸念されている。ロイター通信によると、新規制案の発表を受け、22日の香港株式市場ではオンラインゲームを提供する中国IT大手テンセントの株価が一時16%下落した。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.