地域のタクシー不足を解消するため、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を運ぶ「ライドシェア」について、神奈川県が三浦市での実証実験を行う方向で調整を進めている。県によると、同市では夜にタクシー会社2社のうち1社が営業をやめ、交通手段確保が課題となっている。
県、同市、地元のタクシー会社、国などが参画する検討会議が23年10月に開始。県の提案では、タクシー会社が専用アプリを使って一般ドライバーと利用者をつなげ、車両の運行や整備を管理。乗客は誰でも利用できるが、運転手は、市在住か在勤者に限るとしている。利用料はタクシー料金と同額程度と見込む。
黒岩祐治知事は「地元の皆さんが夜に街へ出て、会食ができなくなっている。街のにぎわいもどんどん失われてきていて、それをなんとかしたい」と強調。ただ、会議に参加したタクシー会社からは「需要がないから(夜の)営業をやめている」との意見も出ている。
全国的にはタクシー運転手が不足し、観光客などの需要増加に対応できないことがライドシェアの議論の出発点となっているだけに、同市の事情は異なる。県はタクシー需要の旺盛な地域でも、地元自治体から要請があれば検討を行う考えを示している。
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