国民生活センターは、FX取引(外国為替証拠金取引)に関する相談が、全国の消費生活センターなどに寄せられており、シニア層からの相談が増えていると注意を呼び掛けている。
SNSの投資グループに誘われてFX取引を持ち掛けられ、個人の口座にお金を振り込むよう求められた後、お金が引き出せなくなるという相談だ。
手口は、(1)SNSやネット広告でグループチャットに誘われる、(2)グループチャット内で参加者から成功体験を聞かされ、FX取引に誘われる、(3)お金を振り込むと最初は利益が出たように見え、次々と送金を要求される、(4)出金できず、FX業者ともグループチャットのメンバーとも連絡が取れなくなる――という流れだ。
60代男性の相談事例も紹介した。男性は、退職金を運用する勉強をするため、SNSの広告で見た投資セミナーのLINEグループに登録したところ、資産運用に成功した事例を聞いたという。そこで、セミナー事業者から無料で提供されたFX取引アプリで取引を進めると、利益が出たので、毎回異なる個人名口座に振り込む形で投資額を増やしていったという。
計500万円を振り込んで運用した後、500万円の出金を求めたところ「税金として160万円が必要」と言われて振り込むと、「間違った口座に入金された」と言われて別の口座に160万円を請求され、指示通りに振り込んだが500万円は出金されなかったため「だまされた」と気づいて相談してきたという。
その他、「FX取引で口座から出金を申し出たところ、口座残高の半分の証拠金を要求された」「SNSで知り合った人から投資グループに誘われ海外FX取引を行ったが、出金時に税金を請求された」といった相談も寄せられているという。
センターは、SNS上の投資グループに注意することや、振込先に個人名義の口座を指定された場合、振り込まないこと、無登録業者との取引は行わないことなどを呼び掛けている。
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