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「マッチングアプリ」台頭で苦戦 結婚相談所の倒産増加、過去最多に 帝国データ調査

» 2024年02月06日 16時56分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 2023年の結婚相談所の倒産件数が初めて10件を超え、過去最多を更新したことが2月6日、帝国データバンクの調査で分かった。休廃業・解散の件数も11件で過去最多となり、倒産と合わせて20を超える結婚相談所が市場から姿を消した。若者の結婚願望の減退や晩婚化の広がりに加え、オンライン上で恋人や結婚相手を探す「マッチング(婚活)アプリ」の台頭が一因とされており、相談所が結婚相手を紹介するスタイルが過渡期に至ったことを象徴している。

photo 結婚相手はマッチングアプリで見つける時代へ移行しつつある(帝国データバンク提供)

 明治安田生命が23年10月に実施した調査では、1年以内に結婚した夫婦のうち4人に1人がマッチングアプリを利用していたことが判明。手軽に色々な相手を探すことができるというアプリの利便性が受け、若者を中心に利用者が急増している実態が明らかになった。

 相談所でもオンライン面談の活用や婚活パーティーの企画などを積極化させているが、多額の広告費が必要になるなど収益性の確保が困難になっている。相談所の場合、入会金や登録料などがマッチングアプリよりも割高になる傾向にあり、価格競争でも勝ちにくい状況が淘汰を進めている。

 ただ、足元でマッチングアプリの利用者が急増する一方、アプリで出会った人がプロフィルを偽っていたことなどによるミスマッチも多発。出会った人から怪しい詐欺と思われる投資案件を持ち掛けかけられたり、ぼったくりバーへ誘導されたりするなどの被害も増えている。

 そのため、身元が保証された会員同士を結ぶ相談所の信頼性が改めて見直されている面もあり、結婚意欲の高い人を中心に相談所のユーザーが再び増える可能性もある。

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