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機密漏えい、罰則2段階 政府のセキュリティー・クリアランス制度 懲役10年か拘禁5年

» 2024年02月08日 10時12分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」制度の創設に向けた法案が2月7日、自民党の会合で示された。機密情報の重要度に応じ、漏えいした場合の罰則を2段階で設けるのが柱。機密性が特に高い情報を漏らした場合は既存の特定秘密保護法を適用して懲役10年以下の罰則を科し、それ以外は新法で最長5年の拘禁刑などを科す。

photo 国会議事堂(矢島康弘撮影)

 政府は2月中に法案を閣議決定し、今国会に提出する方針だ。新制度では国家公務員に加え、民間企業の従業員らも対象とし、機密情報にアクセスできるかどうかを政府が調査した上で国家機密を取り扱う資格を与えるかを政府が判断する。

 林芳正官房長官は7日の記者会見で「SC(制度)を含むわが国の情報保全の強化は同盟国や同志国との円滑な協力のために重要であるほか、産業界の国際的なビジネス機会の確保・拡充につながる」と述べた。

 欧米各国のSC制度は、経済分野を含む重要な安保情報全般を規制しているのに対し、日本の特定秘密保護法は外交、防衛、テロ防止、スパイ防止の4分野の機密情報に限定してきた。

 新制度のもとでは、経済安保も対象に加え、漏えいすると安全保障に「著しい支障」を与える恐れのある経済分野の情報を機密性の特に高い「特定秘密」と定め、漏えいした場合には、既存の特定秘密保護法を適用する。

 一方、新法案では安保に「支障」を与える情報を「重要経済安保情報」に指定し、有資格者が漏らした場合、最長5年の拘禁刑や最高500万円の罰金刑などを科す。

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