楽天グループが2月14日に発表した2023年12月期連結決算の説明資料において、とあるグラフがXの一部クラスタで注目を集めている。これは、楽天モバイルの通信品質の改善結果を説明するページにて他事業者3社と比較したもので、そのうち1社の「MNO A」のみ、通信品質が悪化する傾向を確認できたためだ。
記載があったのはレイテンシ(データ転送時の遅延時間)を4社で比較したというページ。モバイルネットワークの分析を手掛ける英Opensignalが測定した数値から、楽天が独自にグラフを作成したもので、23年3〜12月の間で楽天モバイルは「7.0m/s改善」(原文ママ)とアピールしている。MNO BとCは同期間でほぼ横ばいだったが、MNO Aのみ48〜50ミリ秒から50〜52ミリ秒に悪化していた。
また「No Signal Availability」という、Opensignalが測定した携帯電話の接続がなかった時間の平均割合の推移についても、楽天は独自にグラフ化。23年1〜12月間で「楽天モバイルは0.43pt改善した」としている。MNO A〜Cの3社についてはほぼ横ばいであり、最も値が小さかったのはMNO Aだった。
楽天の決算資料を見たXユーザーには、これらの記載に言及し「一体どこの事業者なのか?」などと投稿する様子も見られている。中には、MNO Aのグラフが赤色、Bが黄色、Cが銀色だったことから、各社のコーポレートカラーを当てはめて予想するユーザーもいた。
モバイルネットワークを巡っては、ここ最近NTTドコモの通信品質悪化が叫ばれている。NTTが2月8日に開催した決算会見では「NTTドコモのネットワーク品質に嫌気が差してやめた人など、契約者数の影響はあったか」という質問に対し、NTT島田社長が「あまりいないんじゃないかと思っている」と回答。これがXなどで拡散し「今の状態で危機感持ってないことにびっくり」「ドコモと決別する決心がついた」など反論の声が相次いでいた。
(関連記事:ドコモの回線品質に嫌気さしての解約、「あまりいないんじゃないか」とNTT島田社長)
なお同日に発表した23年度の連結決算の内容は、売上収益が2兆713億1500万円(前年同期7.8%増)、営業損益は2128億5700万円の赤字(同3716億1200万円の赤字)、純利益は3394億7300万円(同3772億1700万円の赤字)で、通期で5期連続の赤字になった。
楽天モバイルの契約回線数は23年12月時点で596万回線(BCPを含めると609万回線)まで増えたが、モバイルセグメントの収益は3375億2400万円(同4792億5700万円の赤字)の赤字だった。楽天グループは今後、24年12月までに携帯事業の黒字化を目指す。
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