仏新興企業のMistral AIは2月26日(現地時間)、LLMの「Mistral Large」とAIチャットツールの「Mistral Chat」の提供開始を発表した。同社のプラットフォームと並行して同日提携を発表した米MicrosoftのAzureプラットフォームでも利用可能だ。
Mistral Largeは、「最高レベルの推論能力」を持つテキスト生成モデル。テキストの理解、変換、コード生成などの多言語推論タスクに利用可能だ。同社によると、一般的なベンチマークであるMMLU(Massive Multitask Language Understanding)で、米OpenAIの「GPT-4」に次ぐパフォーマンスを見せたという。
数学推論のベンチマーク「GSM8K maj@8」では、米Googleの「Gemini Pro 1.0」が86.5%のところ、91.21%だった。
今のところ使える言語は英、仏、独、伊、スペイン語のみで、「文法や文化的背景を理解」しているという。コンテキストウィンドウは3万2000トークン(OpenAIのGPT-4 Turboは12万8000トークン)。
Mistral AIは、Largeに加えてより手頃な「Small」もリリースする。RAGの有効化と関数呼び出しではLargeに引けを取らないという。
Mistral Chatは、同社のモデルで何を構築でき、ビジネス環境に何を展開できるのかを示すβ版として公開する会話アシスタント。対応言語はLargeと同じ5カ国語。Webページからサインアップすればβユーザーになれる。
Chatのモデレーションの設定は、Largeで行った。なお、Chatは現在まだネットにアクセスできないようにしてあるため、回答は不正確だったり情報が古い可能性があるとMistral AIは説明している。
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