もちろん、年々画像処理が高速化していることも大きな要因。ソフトウェアが熟成してきたというわけです。実際、CP+2024でのEOS画質3D体験も、空メールを1通送るだけで、撮影してから特に待ち時間もなく、3D化されたデータが送付されて戻ってきました。
もちろん3Dデータをしては180度のデータですし、例えば手を前に突き出したりしてしまうとそもそもピントがずれてしまうので深度情報がうまく取得できません。つまり、3Dデータの作成ツールとしては最新型とはいえません。奥行き方向が深いものはうまく3D化できないわけですから。
しかし、それでも手元にあるEOSで1枚写真撮れば、同時に3Dデータも作成してくれるというのは、ワークフローで考えればちょっとした革命です。今回の展示では、人がその対象となっていますが、このEOS画質3Dがホントに効果を発揮するのは要するに“物撮り”の分野だからです。
例えば、レストランの料理を撮影すれば、タブレットなどで注文する際、EOSの高解像度写真がそのまま拡大したりぐるぐるまわりたりすることができるようになります。また、ECサイトで展開する商品撮影をEOS画質3Dに置き換えれば、同じように商品の高解像度写真を拡大したり動かしたりしながら購入検討できるものになるわけです。これは少し大げさにいうと、ものの撮影の概念が変わるほどのことです。
なお、プロカメラマンの中には、すでにDPRAWの深度情報付きで納品するケースも出ているそうです。それなら、ECサイトに3Dビューワーの機能つけてしまえば、もう商品の3D表示もすぐ実現できてしまいます。そして、何度もいいますが、実際の撮影は今までとまったく同じでいいのです。ここがホントにすごいです。
キヤノンブースでだいぶ話し込んでしまったのですが、最後に、このEOS画質3Dのソフトウェアについては「みなさんからの要望の声が大きければ、リリースしたい」という感じのことを話してくれましたので、みなさんぜひ「いいぞ! キヤノンもっとやれ!」という声を出すといいのではないかと思います。
【訂正:2024年2月27日12時13分更新 ※初掲載時、対応機種を「EOS R5/R6」としていましたが、実際には「EOS R5/R6 Mark II/R7/R8/R10」です。お詫びして訂正します】
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