NTT西日本の子会社で勤務していた元派遣社員が約928万件の個人情報を不正流出させた問題で、NTT西日本の森林正彰社長は2月29日、3月末で引責辞任すると表明した。森林氏は同日の記者会見で「不正持ち出しの社会的責任は極めて重大」とし、後任については「然るべきタイミングで公表する」と述べた。
元派遣社員は、サーバの運用保守業務を担うNTTビジネスソリューションズで勤務。2013年7月から23年2月ごろまでの約10年間、サーバからダウンロードした個人情報をUSBメモリーに記録して持ち出し、第三者に売却していたとされる。
NTT西は22年4月に顧客企業から情報流出の可能性を指摘され、内部調査を行ったが発見できなかった。顧客側に「情報流出は認められない」と報告した後も流出は続き、被害が拡大した。会見で、森林氏は「過去の調査は非常にずさんで重大な問題があった。この時点で事実が判明していればもう少し早く解決できた」と語った。
情報流出は、NTT西子会社のNTTマーケティングアクトProCXがコールセンター業務を請け負った企業や自治体など計69団体の個人情報928万件に上った。森林氏は「内部者による情報流出は起こりえないと考えていた、性善説に立っていた」と釈明した。
情報流出については、23年10月に公表。総務省は2月9日、電気通信事業法とNTT法に基づき、NTT西を行政指導した。岡山地検津山支部は同21日、元派遣社員の男を不正競争防止法違反の罪で起訴している。
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