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全国初の自治体・大学 電子図書館連携、行政資料と論文の独自資料を共有

» 2024年03月05日 15時56分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 大阪府茨木市教育委員会と学校法人「追手門学院」(大阪市中央区)は、両者が持つ独自電子資料を互いの電子図書館で公開することを目的にした「独自資料の電子書籍化と情報共有のための協定」を結んだ。電子図書館の分野での自治体と大学の連携は国内初になるという。

photo 電子書籍の情報共有で連携協定を結んだ大阪府茨木市の岡田祐一教育長(左)と追手門学院大学の真銅正宏学長=茨木市役所

 協定では両者が持つ資料を共有し、それぞれの電子図書館でログインする必要なく、誰でも読める電子書籍として公開する。

 市教委側は市が発行している広報誌「広報いばらき」「地震防災マップ」など100点余りを「いばらき市電子図書館」にアップする。一方で、大学側が運営する「OTEMON電子図書館」には追手門学院大学(茨木市)の真銅正宏学長と同大OBで芥川賞作家、宮本輝氏の対談をまとめた「対談『青が散る』から『野の春』まで」などの独自資料を提供する。4月から本格運用の予定だ。

 電子図書の共有で、学生たちは電子書籍化された行政資料を大学側の電子図書館で気軽に閲覧し、記事や論文などの執筆に活用することができる。学生らが書いた記事や論文などは市側の電子図書館で閲覧でき、「知の循環構造」の形成を目指すとしている。

 市役所で岡田祐一教育長は「行政資料の電子書籍化は市民に求められていた。学生にも調査・研究に役立ててほしい」とし、真銅学長は「学生らのサポートでデジタル絵本制作ワークショップを開くなど、より地域に根ざした大学を目指したい」と意気込んだ。

photo 大阪府茨木市の電子図書館にアップされている資料が追手門学院大学の電子図書館でも閲覧できる

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