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元Googleのエンジニア、AI機密情報を中国企業に売った疑いで逮捕

» 2024年03月07日 13時35分 公開
[ITmedia]

 米連邦大陪審は3月6日(現地時間)、米Googleの元エンジニア、リンウェイ・ディン被告を営業秘密窃取罪で起訴したと発表した。

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 起訴状(リンク先はPDF)によると、ディング被告はGoogleのAI関連の機密情報を社外に不正に持ち出したという。ディング被告はGoogleのAI関連の機密データにアクセスできる立場にあった。

 起訴内容では、ディング被告が2022年5月から2023年5月にかけて、Google内の500件以上の機密ファイルを個人のクラウドアカウントにアップロードし、さらに中国の2社に関与していたと指摘されている。2022年6月から、Googleに籍をおいたまま、中国に拠点を置くテクノロジー企業から報酬を受け取っていたという。

 ディング被告は、GoogleでのAI技術開発業務に従事する過程で、自身の起業を視野に入れていたと釈明している。

 メリック・ガーランド米司法長官は「AIなど国家安全保障上の重要技術が悪用されるのを決して許さない」と語った。捜査当局は、ディング被告が収集した機密データが中国企業に渡れば、米国の技術的優位性が失われかねないとみている。

 米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は「この告発は、中華人民共和国に拠点を置く企業が米国の技術革新を盗むためにいかに努力しているかを示す最新の例だ。(中略)FBIは、米国企業の知的財産を盗む人物を追求する取り組みを継続する」と語った。

 有罪判決が下された場合、ディング氏には最高で懲役10年の刑と、最高で100万ドルの罰金が科せられる可能性がある。

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